監督やコーチからは「準備を大切にするように言われた」そうで、「毎日試合がありますし、今日がダメだったら悔しがるのではなく、明日に生かそうと思ってやってきました。そして、僕は何にするにしても行動が遅く、『逆算してやってみろ』と言われたので、それを頭に入れながらやっています」。

　昨年はコロナ感染予防のため外出禁止だったこともあり、「息抜きができなかったのが大変だった」と紅林は語る。性格的には繊細な一面もあるが、ファンに対しては「最近ドラマにハマっているので、何かおすすめを教えてほしいです。ジャンルは学園物や警察系が好きなんですよ。他のジャンルでも面白いのがあればたくさん教えてほしいです。よろしくお願いします」と笑顔でリクエストしている。
  　様々な課題を一つひとつ乗り越え、心身ともに着実に成長を遂げている紅林。昨年、一軍に上がった際も中嶋聡監督（当時は代行）が「ここまで大きくなったか」と感心したほど、その成長スピードは早い。駿河総合高の望月俊治監督が「体は強い」と太鼓判を押してプロに送り出しただけのことはある。

　今年の目標は「一軍でホームランを打つ」ことだというが、それ以上の結果を残すことも十分可能なはず。すでに練習試合では本塁打を連発しているが、開幕一軍切符をつかむためには、今後のオープン戦での結果が勝負となる。待ちに待った若い大型内野手がレギュラーとして定着すればチームに与える影響は大きい。次代のオリックスを担う若武者のブレイクに期待したい。

取材・文●どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ／1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第９回 特集オリックス・バファローズ』（カンゼン）ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。

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