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MLB

田中将大が強力アストロズ打線を封殺!6回無失点の好投でワールドシリーズ進出に一歩前進

藤原彬

2019.10.13

 また、接戦では小さなミスが命取り。ヤンキースの先制点につながったグレインキーの暴投だけではなく、投手には操作できない要素も田中とヤンキースに味方した。

 2回2死、田中がカウント2-2から左打者のヨーダン・アルバレスへ投じた内角スライダーはゾーンを外れていたが、ストライクの判定で見逃し三振となった。5回無死1塁の場面では、走りながらフライを捕球したライトのアーロン・ジャッジが素早く一塁へ送球。鋭い打球が飛んだ瞬間に大きくリードしていた一塁走者のブレグマンは、きびすを返す瞬間に軽くつまずいて帰塁が間に合わずダブルプレーとなった。
 
 ヤンキースに傾いた流れを田中は放さず、6回を投げて打者18人にわずか68球で1安打1四球の無失点。昨年のプレーオフから今年の地区シリーズまで13試合中12試合で本塁打を記録しているアストロズ打線にゴロアウトを8つ打たせて封じ込めた。チームは7-0でシリーズ初戦を白星で飾り、ビッグゲームでの存在感を改めて示した田中がプレーオフ通算5勝目を手にしている。

 先発に強力な3本柱を擁するアストロズは第2戦にジャスティン・バーランダー、第3戦にはゲリット・コールが控えており、ヤンキースにとって第1戦は落とせない試合だった。存在感が薄れていたスタントンにも一発が飛び出して、チーム状況は上向き。世界一の筆頭候補を破れば、10年ぶりのワールドシリーズに勢いをつけて乗り込める。

文●藤原彬

ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。
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