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プロ野球

江川の8連続三振、近藤のデビュー戦ノーヒッター、巨人ナインが新幹線から見下ろした試合――昭和史に残るナゴヤ球場の名場面の数々【豊浦彰太郎のベースボール一刀両断!】

豊浦彰太郞

2021.03.14

▼1977年5月14日 中日対巨人 
 中日が3対2で1点リードしていた7回裏二死満塁の場面で、来日時点でメジャー通算182本塁打&397盗塁を誇った元メジャーのスーパースター、ウィリー・デービスが、ダイヤモンドをまさに疾風のように駆け抜けた。そう、本当に本塁まで一気に「駆け抜けた」のだ。満塁ランニングホームラン。“黒豹”の異名を取ったデービスは、「スピードに乗ると塁間8歩」とまことしやかに報じられていた。一歩で約3メートルも移動する計算になる。自分でやってみたら全然ダメだったことを覚えている。

▼1984年7月24日 オールスター第3戦
 今まで見てきた日本プロ野球の投手の中で、相手打線を圧倒するという点では、全盛期の江川卓に勝る者はいなかった。この時期にはすでに下り坂に差しかかっていたが、全セの2番手として登板した江川は、速球とカーブの2球種だけで、この年外国人初の三冠王になったブーマー(当時阪急)や、落合博満(当時ロッテ)らを含む、並み居るパ・リーグの強打者8人を連続三振に切って取った。
 
▼1987年8月7日 中日対巨人
 前年のドラフトで5球団が競合した末、中日入りしたゴールデンルーキー、近藤真一のデビュー戦となったこの試合を、ぼくはテレビ中継ではなく、カーラジオで追いかけていた。

 この頃はヒマな大学生だったぼくはこの日、友人とともに、彼のオヤジさんのスバル・レオーネで当てもなく都内を徘徊していたのだが、試合が進むにつれてクルマを降りることができなくなった。近藤は結局、巨人打線からただの1本も安打を打たれることなく、史上唯一のデビュー戦ノーヒッターをン成し遂げた。最後にファミレスの駐車場にクルマを停めたぼくらは、快挙達成を聴き遂げてから店に入り、深夜までしゃべり倒した。

 僕より若い世代のファンにとっては、ナゴヤ球場といえば平成の「10.8決戦」が最大の名場面かも知れないが、ここではあえて書かない。ぼくの心に残っているのは、ここに挙げた昭和の名シーンの数々だからだ。

文●豊浦彰太郎

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