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プロ野球

開幕1ヵ月で「サプライズ」をもたらした6人!韋駄天がわずか3盗塁、6本塁打を量産のルーキー…<SLUGGER>

藤原彬

2021.04.27

■呉念庭(西武)
 今度こそはつかんだチャンスを逃さない。昨季まで強打者揃いの一軍でアピールの機会は限られていたが、今季は開幕直後に一軍昇格後最初の試合でプロ初本塁打の祝砲を放つと、3試合目(4月3日ソフトバンク戦)で3安打5打点と爆発した。開幕1か月時点で、打率.303だけでなく出塁率は4割を超え、OPS(出塁率+長打率)は.905と強打者並みの数字。内野全ポジションに加え。ファームでは外野を主に守った時期もあるため、故障者の復帰後も打線のスパイスとして貢献できそうだ。

 15年ドラフト同期の愛斗も、プロ初アーチを放った日に計2発を記録するなど定位置確保へ向けて奮闘中。チームに訪れた試練は、新戦力の台頭により「雨降って地固まる」に変わるかもしれない。

■今村信貴(巨人)
 自身3年ぶり通算2度目の完封劇で進化を示した。4月11日の広島戦は7安打を打たれながら、「脱力」を心掛けた投球で得点を許さず。142球を投じて9回まで投げ切れたのは、「先発完投135球」を公言する桑田真澄コーチが春季キャンプで設定した1000球の投げ込みをクリアして、体力を鍛えた賜物だ。
 
 昨年の日本シリーズでは、第2戦に先発して2回途中降板の悔しさを味わったが、内海哲也(現西武)が長らく着けた背番号26に変えた今季は、目標の100投球回到達も通過点になりそう(19年の81.2回が自己最多)。ここまでの5先発で2勝ながらリーグ2位の防御率1.62を記録し、同じ左腕の髙橋優貴(1.29)とワンツー。菅野智之に続く2番手以降がカギを握る先発陣で、サウスポー2人の切磋琢磨が目覚ましい。

■平井克典(西武)
 まっさらなマウンドへのこだわりが、新しい役回りへのスムーズな適応を生んだ。2019年にリーグ記録の81登板を樹立するなど、ライオンズのブルペンを支えた続けた鉄腕が今季から志願の先発本格転向。春季キャンプではワインドアップの投球フォームに取り組み、長いイニングを見据えて210球を投げ込む日もあった。

 そうして迎えた今季は、開幕3戦目での初登板白星を皮切りに3連勝。昨年は投げていなかったカーブやチェンジアップも織り交ぜながら、4先発目までは四球と自責点をいずれも2以下に抑えた。25歳以下の本格派がひしめく先発陣で、今年30歳になる“1年目”のサイドハンドがチームの勝ち頭になっている。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
 
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