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【注目のMLBスターファイル】トラウト級の才能が開花!5ツールを備えたバイロン・バクストンの凄み<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.05.07

 もともと、バクストンは高校時代から大きな注目を集めていた。12年のドラフトではツインズから全体2位指名を受け、その年最高の600万ドルもの契約金を得て入団。ウィリー・メイズやマイク・トラウト(エンジェルス)と比較されるほどの逸材としてマイナーの階段を順調に駆け上がり、15年に21歳でメジャーデビューを果たした。

 だが、その後は思うように力を発揮できない時期が続いた。前述したように守備や走塁は素晴らしかったが、粗い打撃が災いして三振の山を築き、打率は2割5分を上回るのがやっと。怪我も多く、6年間で100試合以上に出場したのは一度しかない。プロ入り時に「毎年のようにMVP争いを演じる」と言われていたことを思えば、期待外れと言われてもおかしくないシーズンが続いていた。

 それだけに、今季の活躍には「待望のブレイクだ!」と歓迎する声が引きも切らない。現地メディアの分析によると、チームメイトのネルソン・クルーズに倣ってスウィング前の動きを最小限にしたことと、スウィング軌道をアッパー気味にしたことが、パワー開花の理由だという。 だが、バクストン本人は別の理由を口にする。「僕はおそらく、ベースボール・プレーヤーとして今までで最高の場所にいる。ここに導いてくれたのは家族だ。彼らがいなければ、僕はここにはいられなかっただろう」
 
 バクストンは2児の父でもある。長男のブリクストン君は7歳で、次男のブレイズ君は昨年の7月に生まれたばかり。「ブレイズは、僕の試合を見ている時だけは静かにしてるんだよ」と、バクストンは誇らしげに語る。

 今季のバクストンは、かつて比較されたトラウトを超える成績を残す可能性もある。総合的な勝利貢献度を示す指標WAR(Baseball Reference版)では5月6日時点で2.5で、トラウトを抑えて堂々のリーグ1位。これらの活躍が評価され、4月は自身初の月間MVPにも選出された。

 ようやく持てる才能を開花させたバクストン。前田健太の登板試合では、センターを守る彼の一挙手一投足にも注目してほしい。

構成●SLUGGER編集部

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