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奪三振マシーンの剛腕が世界一を手繰り寄せるか!「300K」男たちのワールドシリーズを振り返る

藤原彬

2019.10.23

 300奪三振を達成した剛腕のなかで、特筆すべき存在を挙げるなら次の4人になるか。

 世界一と縁がなかったのがノーラン・ライアンだ。ジョンソンと同じ6度のシーズン300奪三振を達成しながら、ワールドシリーズでの登板は救援での1試合だけ。唯一の大舞台はメッツでメジャーに定着し始めた“エクスプレス”になる前の1969年だった。

 シーズン300奪三振を3回記録したカート・シリングは、ワールドシリーズにも3度出ている。初登板となった93年の第1戦はブルージェイズに7失点を喫したが、第5戦で完封。2001年に第1、4、7戦に先発してジョンソンとの両輪でチームを頂点に導くと、レッドソックスでは04年と07年にワールドチャンピオンとなった。
 
 コールと同じ“トレイン”の愛称で知られ、史上最多のシーズン通算110完封を記録しているウォルター・ジョンソンは20代前半の頃にシーズン300奪三振を2度マーク。36歳となった1924年に3先発してセネタース初の世界一に貢献すると、翌25年はチームが敗れたものの3先発3完投と、年齢を感じさせない八面六臂の働きだった。

 ペドロ・マルティネスは、いずれもサイ・ヤング賞を獲得した97、99年にシーズン300奪三振を上回った。04年にレッドソックスの“バンビーノの呪い”を解いたが、09年にはヤンキースの松井秀喜からシリーズ2本目の本塁打を浴びたワールドシリーズ第6戦を最後に現役を退いている。

 今年のワールドシリーズは、3人の「300K」投手が登場する希少な頂上決戦となった。スティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ/251奪三振)も含めた4人がシーズン中に積み重ねた三振を数えると、優に1000を超える。

 彼らの出来が今年のワールドチャンピオンの行方を大きく左右するはずだ。

文●藤原彬

ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。
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