専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

「3戦連発×2回&“準サイクル安打”+1勝」大谷翔平の“現実離れ”した2週間を振り返る

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2021.07.01

一度調子を落としたかに見えたが、そこから再び上昇。2週間で2度目の3戦連発で本塁打王に躍り出た。(C)Getty Images

一度調子を落としたかに見えたが、そこから再び上昇。2週間で2度目の3戦連発で本塁打王に躍り出た。(C)Getty Images

「6戦6本塁打+1勝」の活躍で大谷は自身3度目の週間MVPを受賞。しかし、オフを挟んでからのナ・リーグ最高勝率チーム、サンフランシスコ・ジャイアンツ戦では2試合連続ノーヒット、6打数5三振と不発に終わる。23日は先発で9奪三振と好投した一方、今季最多6安打、球数を同じく最多105球を投じるなど、さすがに疲れを隠し切れず、6回を終えた後は守備に就かずに球場を後にした。

 仮にここで多少調子を落としたとしても、誰も責めることはないし、「大谷も人間なんだな」とある意味で“共感”できたかもしれない。しかし、野球史上最高のアスリートとも呼べる偉才は、簡単に我々の常識を破壊していく。

 移動日を挟んでの25日からの強豪タンパベイ・レイズ戦。大谷は1番打者として打席に立つと、何と自身メジャー初となる先頭打者アーチを叩き込む。しかもこの一発は、自己2番目の飛距離となる453フィート(約138m)弾であり、ドーム球場の天井整備に使われるキャットウォークまで届く一撃だった。さらに次の打席でも、16日の試合同様にセーフティバントで出塁する技術も披露。

 翌日は本塁打こそなかったが適時二塁打を放つと、26~27日には連続本塁打。特に27日の試合は圧巻のパフォーマンス。第1打席の三振後、四球→盗塁→二塁打→三塁打→ダメ押しのホームランという成績で“準サイクル安打”を記録したのだった。
 
 そして、“元祖二刀流”であり“野球の神様”ベーブ・ルースが所属した敵地のニューヨーク・ヤンキース戦(ちなみにルースが二刀流をしていたのはボストン・レッドソックス時代)。大谷ファンを公言しているNBAの大スター、ケビン・デュラントや通算251勝のCC・サバシアらのセレブがいる前で、挨拶代わりに第1打席で26号ホームラン。これでゲレーロJr.に本塁打数で並ぶと、翌29日は3年ぶりの2打席連発で一気に突き放して見せたのだ。

 6月15日からの2週間、大谷は「13戦11本塁打+1勝/12イニング2失点」という記録をマークした。投打片方だけでも十分すごいのに、ともにやってしまうのが彼の“異常”さだ。そう考えると、日米のメディアやファンが熱狂するのも納得、というか当然ではないだろうか。

 この14日間の大谷は、おそらくかなり好調だったと思われる。もしかしたら、この後にやや調子を落とす時期があるかもしれない……と考えるのが“普通”だ。しかし、我々はもう分かっているのではないか。大谷翔平という男が、一般的な常識や尺度で測ることのできない怪物だということを。

 きっと大谷ならば、6月に見せた輝きすらも、はるかに超えるようなスーパーパフォーマンスを見せる。今季の活躍を振り返れば、それは必然の帰結ではないだろうか。

文●新井裕貴(THE DIGEST編集部)

【動画】“衝撃の2週間”の最後は2打席連発アーチ! これでメジャー単独本塁打王だ!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号