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プロ野球

「甘いボールを1球で仕留めないと」ロッテ期待の若き長距離砲・山口航輝が誓う後半戦のリベンジ<SLUGGER>

村岡範子

2021.08.11

 それでも、レベルの高い舞台を肌で感じたことで、気持ちにも変化が表れたという。

「去年まではむしゃらにやろうって考えていましたが、今年に関しては結果がすべてだと思っているので、打たなきゃ当然上がれないですし、一軍で失敗したことを二軍で同じミスをしないようにしていかないと、と思っています」

 6、7月と二軍で過ごし、前半戦を終了。22試合出場で打率.236、2本塁打、8打点という結果に「全然だめだと思ってます。自分の思い通りにもなっていないですし」と話した上で、「なかなか自分の思う通りにいかず、力不足を感じた前半戦でした」と振り返った。
 今は課題が山積みだ。二軍降格の際に首脳陣から「『いっぱい振り込んで、状態上げて上がってこれるように』と言われました」と語る山口。「甘いボールがきたら一球で仕留めることは意識してやってます。ファームと一軍のピッチャーが違うところは甘いボールが続くか続かないかだと思うので、その一球を仕留めないと。そこは意識してるんですけど、まだ仕留めきれてないのが今の結果になっていると思います」と自身の取り組みを強調した。

 下半身を意識したティーバッティングや特打を熱心にこなしながらも「バッティングに関しては下がる一方なんで、ここの壁は本当に高いと思います」と語っていた山口だが、五輪中断中に行なわれたエキシビジョンマッチでチャンスがめぐってきた。

 7月30日の広島戦(マツダスタジアム)、矢崎拓也の外角直球を右翼スタンドに運ぶと、翌日はスコットから同じく逆方向への一発。2試合続けて3安打3打点の大爆発で一軍再昇格をアピールした。

 がむしゃらに一軍昇格だけを目指してきた昨年までの自分とは違う。一軍の高い壁を肌で知り、もがき苦しみながら何とかその壁を乗り越えようとしている。後半戦は、今までの何倍にも成長した山口の姿を見ることができそうだ。

取材・文●村岡範子

【著者プロフィール】
むらおかのりこ。1983年生まれ。軟式野球チームの監督だった父の影響で小学2年からプロ野球ファンになる。大学上京後、チアリーダーとなり、Jリーグクラブの公式チアリーディングチームのメンバーを務める。2018年から二軍観戦にハマり、可能な限り球場へ足を運ぶ。19年にスポーツサイトでNPB担当ライターを経験し、現在はフリーで活動中。

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