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高校野球

夏の甲子園ノーゲームの悲喜こもごも――決勝中止で優勝寸前から一転、2試合連続順延で3試合目に敗退<SLUGGER>

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2021.08.12

 中でも最大の逆転劇と言えるのが、史上初のノーゲームとなった第3回大会の決勝だろう。ここまで関西学院中(現・関西学院高)は3試合で計20得点を挙げる猛打で勝ち上がってきたのに対し、相手の愛知一中(現・愛知県立旭丘高)は1回戦に敗退後、敗者復活戦からふたたび上がってきた高校だった(この大会までは敗者復活戦のルールがあった)。

 決勝は5回まで両軍無得点が続いたものの、6回表に関西学院中が待望の先制。その裏も2死までこぎ着け、あと1アウトで試合成立というところで、突然の豪雨に見舞われた。試合はそのままノーゲームとなり、翌日に先攻と後攻を入れ替えて再戦。今度は延長13回まで両軍ゼロ行進が続いた末、14回表に1点を入れた愛知一中が勝利した。

 優勝寸前の試合を雨でなかったことにされた上、一度は敗退したはずの高校に敗れた関西学院中の心境はいかばかりか(このことを重く見た大会側が敗者復活戦ルールを翌年から廃止したため、一度敗退した学校が優勝したのはこの一度のみである)。
 
 近年はノーゲームで流れを相手に持っていかれた高校が多く、93年の2回戦では、鹿児島商工(現・樟南高)が常総学院相手に4回まで4対0とリードしながらノーゲーム。再試合に1対0で惜敗したことがあった(常総学院はその後ベスト4まで勝ち進んでいる)。

 だが、それ以上に悲劇的なのが03年の駒大苫小牧のケースだ。春夏合わせてそれまで3度甲子園の土を踏みながら、いずれも1回戦敗退だった駒大苫小牧は、今度こそ初勝利を目指して倉敷工と対戦。2回に7点を挙げるなど一方的な展開となり、圧勝ムードのはずが4回裏の時点で降雨ノーゲームとなった。

 翌日の再試合は、前日に倉敷工を1安打に抑えたエースの白石守が不調で、5失点で6回途中に降板。そのまま逆転できず5対3で敗退し甲子園初勝利は達成できなかった。だが、この屈辱をバネに駒大苫小牧は、翌04年夏の甲子園で北海道勢初の全国制覇、さらに05年には田中将大(現・楽天)を擁して史上6校目の夏連覇を果たした。結果的にノーゲーム敗退は「伝説の序章」となった。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)

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