電光掲示板に映し出される「球数」を見ながらワクワクした。
創設33年目にして甲子園初出場を果たした東明館のエース、今村珀孔の飛び受けたピッチングに大きな期待を抱いたからだ。
5回を終えた時点で、対戦相手の日本航空の先発ヴァデルナ・フェルガスは71球だった。それに対して、今村はわずか55球。0対0の投手戦が続いていただけに、このままいけば「マダックス」が完成できる。そんな予感さえ漂った。
「マダックス」とは、100球未満で完封を達成することを指す。“精密機械”と呼ばれた驚異の制球力を武器に、現役時代にその記録を13度も達成したMLB通算355勝の大エース、グレッグ・マダックスにちなんだ呼び名だ。
昨年からルールが「1週間で500球以内」のルールが導入されたこともあって、高校野球は球数にセンシティブになっているところがある。電光掲示板に球数が表示されるようになったのは、このルールができたからだ。当然、目の前の試合だけでなく、今後数試合を見据えて投手起用を考えなければならない。先発投手の1試合の球数が130球を越えようものなら、監督はメディアからの批判にさらされることもある。こうなると起用する側は、ピッチングの状態を見るよりもまず、球数の計算を先にしてしまう傾向が出てきてしまう。
そのような背景があるからこそ、今村のピッチングは「高校球児の新たなスタイル」が生まれる期待を抱かせた。
「自分は三振を奪う投手ではなくて、打たせて野手に任せてアウトを奪うタイプ。球数を少なくするコツは、初球でストライクを取ることです」。
ピッチングと同様に小気味良い今村の語り口からは、自身のピッチングスタイルを確立できている証ともいえる。
創設33年目にして甲子園初出場を果たした東明館のエース、今村珀孔の飛び受けたピッチングに大きな期待を抱いたからだ。
5回を終えた時点で、対戦相手の日本航空の先発ヴァデルナ・フェルガスは71球だった。それに対して、今村はわずか55球。0対0の投手戦が続いていただけに、このままいけば「マダックス」が完成できる。そんな予感さえ漂った。
「マダックス」とは、100球未満で完封を達成することを指す。“精密機械”と呼ばれた驚異の制球力を武器に、現役時代にその記録を13度も達成したMLB通算355勝の大エース、グレッグ・マダックスにちなんだ呼び名だ。
昨年からルールが「1週間で500球以内」のルールが導入されたこともあって、高校野球は球数にセンシティブになっているところがある。電光掲示板に球数が表示されるようになったのは、このルールができたからだ。当然、目の前の試合だけでなく、今後数試合を見据えて投手起用を考えなければならない。先発投手の1試合の球数が130球を越えようものなら、監督はメディアからの批判にさらされることもある。こうなると起用する側は、ピッチングの状態を見るよりもまず、球数の計算を先にしてしまう傾向が出てきてしまう。
そのような背景があるからこそ、今村のピッチングは「高校球児の新たなスタイル」が生まれる期待を抱かせた。
「自分は三振を奪う投手ではなくて、打たせて野手に任せてアウトを奪うタイプ。球数を少なくするコツは、初球でストライクを取ることです」。
ピッチングと同様に小気味良い今村の語り口からは、自身のピッチングスタイルを確立できている証ともいえる。