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プロ野球

【名門校の歴代ベストチーム作ってみた:近畿大】三塁は“ミスター・ロッテ”で決まり。外野は佐藤輝明を含め3人が阪神勢に<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.08.20

 台湾出身の林も卓越したスウィングスピードを武器に活躍。故障がちだったことと守備や走塁が得意ではなかったことから、レギュラーとして活躍したのは2009年の1年だけだが、この年は打率.292、15本塁打を記録している。

 また、ショートも人材豊富なのが特徴だ。器用なバッティングと広い守備範囲で売り出し中の小深田を選んだが、パワーでは指名打者に据えた二岡の方が上。大学時代は通算13本塁打で、これは佐藤に更新されるまでリーグ最多記録だった。プロ入りしてからも、03年には29本塁打も放つなど活躍。これからの伸びしろを考慮して5番には佐藤を置いたが、実績重視ならば二岡を起用する方が妥当だろう。さらに藤原も大学、およびプロ入り当初は遊撃を務めており、フレキシブルなオーダーが組めそうである。

 藤田も、二塁以外に三塁と遊撃もこなせるユーティリティ・プレーヤーで、小技も得意な古き良き2番タイプ。さらに捕手には小柄な体格からの俊敏な動きで、楽天の初代正捕手を務めた藤井を据えた。その結果、スラッガーの間を小技もできるバッターが揃う理想的な打線ができあがった。

 野手陣に比べると投手陣はやや小粒だが、まずまずの人材がそろっている。どっしりした体格の速球派左腕という特徴から、大学時代には“近畿大の江夏豊”の異名を取った大隣は希望入団枠でソフトバンク入団後、12年にリーグ4位の防御率2.03を記録。翌年はWBC日本代表にも選出されている。
 
 2番手の酒井は、89年のドラフトで野茂英雄の外れ1位として日本ハムに入団。スローカーブを武器に1年目から10勝を挙げた。野茂がいたことから新人王は獲得できなかったが、リーグ特別表彰を受けている。畠は今季リリーフを務めているが、昨年までは先発を務めていた実績から選んだ。

 リリーフ一番手の木村は、社会人の日本生命を経由して90年のドラフト1位でダイエーに入団。10年間で通算325試合に登板した。プロ1年目には当時西武の主砲だった清原和博から4打席連続三振を奪ったり、92年にはまだブレイク前だった鈴木一朗(現イチロー)にプロ初安打を献上するなど、レジェンドとも縁のある選手である。森田も同じ90年にドラフト5位で中日へ入団しており、プロ1年目に与田剛の故障で抑えに抜擢され、10勝17セーブの活躍で新人王に選ばれている。

 他にも横浜と広島で通算181試合に登板した岸本秀樹、10年にソフトバンクで65登板を記録した甲藤啓介など、実績を残したリリーフはまだいる。なお、余談ながらOBには「西岡剛」の名前もある。ただ、こちらは87~88年にヤクルトで計39試合に登板した平凡なリリーバー。元ロッテで、現在はBCリーグでプレーしている遊撃手の西岡剛は大阪桐蔭から直接プロ入りしているので、近畿大とは関係がない。
 
 近畿出身の現役選手は、佐藤や糸井らを含めて9人。ユーティリティ・プレーヤーとしてヤクルトで活躍する荒木貴裕や、オリックスでリリーバーとして開花しつつある村西良太らもいる。現在、チームの指揮を執る田中秀昌監督は上宮高時代に元木大介(現巨人コーチ)や黒田博樹を育て上げた名伯楽で、今後も逸材をプロの世界へ送り続けるだろう。数年後にはベストチームの顔ぶれが大きく変わっているかもしれない。

構成●SLUGGER編集部
 

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