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プロ野球

戦力外から2億円プレーヤーへ――リストラをバネに這い上がった男たち

2019.11.07

▼遠山奨志(元阪神ほか/投手)
 松井秀喜キラーとして有名な遠山も、実は戦力外から復活した選手だ。86年のドラフト1位で阪神タイガースに入団。1年目からローテーション入りして8勝を挙げたが、2年目以降は故障に泣き、90年オフにトレードでロッテへ放出される。

 ロッテでも4年で1勝もできず、95年からは打者に転向。イースタン・リーグ最多安打を放つなど打撃センスはあったが一軍定着はできないまま、97年に戦力外通告を受ける。この時すでに30歳だったが、「もう一度阪神でやりたい」と一念発起、古巣の入団テストに挑戦する。打者として受験するつもりだったが、吉田義男監督に投球を見せるよう促され、投手として合格通知をもらった。


 さらに99年、野村克也が阪神の監督に就任したことが、遠山の復活を後押しする。野村に見出された遠山は、左打者キラーとして覚醒。63試合に登板して防御率2.09の成績を残す。特に巨人の松井秀喜は13打数ノーヒットに抑え込み、「顔も見たくない」とすら言わしめた。

 野村政権下では中継ぎとして重用され、3年連続で50試合以上に登板したが、監督が星野仙一に変わった2002年は23試合の登板に終わり、体力の限界を感じて引退。しかし、松井キラーとしての名声は今なお残っている。
 
▼高木晃次(元ロッテほか/投手)
 戦力外になるたびに復活した“不死鳥”のような投手である。1986年、阪急ブレーブスにドラフト1位で入団するも一軍には定着できず、93年オフにトレードでダイエーに移籍。ここでも3年で5試合しか登板がなく、97年にあえなく戦力外通告を受ける。

 しかしテスト入団したヤクルトで、野村克也監督の指示によりサイドスローに転向して覚醒。入団2年目の99年はローテに入って9勝、5月にはプロ入り13年目にして初の完封勝利を挙げ、シーズントータルでも3完封を記録している。

 翌年以降は低迷し、2001年にふたたび戦力外通告を受けたが、
02年に今度はロッテにテスト入団してまたも復活。ベテランならではの器用さを発揮し、ロングリリーフにワンポイントにと便利屋リリーフとして長く活躍。07年にはプロ21年目で初のFA権を取得したことも話題となった。08年には40歳にしてキャリアハイの43試合に登板した。

 そして16試合登板に終わった09年、生涯3度目の戦力外通告を受ける。過去2度のように現役続行を目指してトライアウトを受験するが、今度は獲得する球団が現れず引退。23年もの長きにわたったプロ生活を今度こそ終えた。

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