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MLB

大谷翔平と本塁打王を争う大型捕手ペレスの“弱点”。投手泣かせの「球界最低級のフレーミング」

THE DIGEST編集部

2021.09.23

キャッチャーとして絶対的な存在感を発揮しているペレス。しかし、その根幹にある能力が実は欠点に?(C)Getty Images

キャッチャーとして絶対的な存在感を発揮しているペレス。しかし、その根幹にある能力が実は欠点に?(C)Getty Images

 では、“名捕手”ペレスがどれだけフレーミングで利得をもたらしたのかを見てみよう。

<ペレスの年度別RES>
2015位:-16(ワースト1位/55位)
2016年:-16(ワースト1位/63位)
2017年:-13(ワースト1位/62位)
2018年:-11(ワースト3位/58位)
2019年:シーズン全休
2020年:0(―/36位)
2021年:-18(ワースト1位/60位)

 RESとはRuns Extra Strikeの略で、簡単に言えばフレーミングによってストライクをしっかり稼ぎ、どれだけ失点阻止につなげたのかを示す指標だ。スタットキャストによる計測が始まった以降、ペレスは今季も含めて4回も球界ワーストという壊滅的な結果。特にストライクゾーン低めのフレーミングに苦労していて、今季はリーグワースト2位の選手と実に8点も離される“独走”ぶりである。

 果たして、先に述べたように強肩を武器とした盗塁阻止でのプラスはあるものの、フレーミングのマイナス分が大きく、今季の守備指標DRS(Defensive Runs Saved)は500イニング以上の捕手32人中28位と低迷しているのだ(ちなみに、大谷がバッテリーを組むマックス・スタッシは+10に対し、カート・スズキはワーストの-10)。

【動画】ペレスが捕手新記録の46号! 豪快なホームランはこちら
 大谷の勢いが落ちたこともあり、MVP獲得を不安視する声もちらほら聞こえている。しかし、アウォード選考で最も重要視されている勝利貢献度WAR(Wins Above Replacement)において、大谷は2大データサイト『FanGraphs』、『Baseball-Reference』でいまだにメジャー1位(7.2/8.2)に君臨している。一方で、ペレスは『FanGraphs』のWARが3.2にとどまり、メジャー50位圏外という意外な位置にいる。

 これも結局は、フレーミングによる守備成績の低調が原因にある。“打てる捕手”というのはかなり希少性はあるものの、同時にキャッチャーとしての基盤にある守備能力が、悲しいかなペレスのMVP投票で足枷になる可能性もあるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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