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プロ野球

16年ぶりリーグV逃すも「秋の失速」を克服した阪神。下克上日本一へ向けて“カギ”となるのは?

チャリコ遠藤

2021.10.30

 また、それ以上に響いたのは、大山悠輔、ジェリー・サンズ、ジェフリー・マルテと開幕戦で中軸を形成した3人の不振だろう。特にサンズは夏を待たずに状態が落ち始め、最後にアーチを描いたのは8月26日。10月上旬には2軍降格となって、再昇格も果たせなかった。

 マルテも10月に打率1割台と「底」の状態がシーズンの勝負どころで来てしまい、開幕4番の大山も最終盤は相手投手によってスタメン落ちすることが増えた。不動の1番だった近本光司を3番に据えるなど「還すバッター」に苦労した面は否めない。

 コロナ禍で来日できず途中合流したホセ・オスナ、ドミンゴ・サンタナの固定で得点力の上がったヤクルト打線とは対照的だ。1試合平均4.7(3、4月)、4.5(5月)で始まった得点力も3(9月)、3.1(10月)と尻すぼみに終わった。
 
 リーグ最多の77勝を挙げながら2位に終わったが、日本一への挑戦権は、まだその手にある。

 11月6日からは3位の巨人と本拠地・甲子園球場で今年最後の一戦を迎える。14年ぶりにシーズン勝ち越しを決めた宿敵を短期決戦で再び撃破し、見据える下克上。今季の巨人戦で2勝負けなし、16回連続無失点と“キラー”ぶりを発揮している高橋遥人、最多勝の青柳晃洋などの先発が予想され、不振を極めた西勇輝の不在を全く感じさせない豊富な陣容を誇る。

 仮にファーストステージで3戦目までもつれ込んでも、伊藤将司、ジョー・ガンケル、秋山拓巳が控えておりファイナルステージでも盤石のローテーションを組むことが可能だ。10月に敢行した岩崎優、ロベルト・スアレスの連投やイニングまたぎも、再び禁が解かれる。奮起が期待される打線も、近本の復帰など開幕時のベストオーダーにどれだけ近づけるかがカギを握るだろう。

文●チャリコ遠藤

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