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プロ野球

石川とマクガフの“覚悟”がかけさせた王手――ヤクルト投手陣が見せた接戦だからこその踏ん張り【氏原英明の日本シリーズ「記者の目」】<SLUGGER>

氏原英明

2021.11.25

 石川は言う。

「ストレートの球速は130キロですけど、バッターがどう感じるかが大事だと思って20年やってきた。(僕の持ち味は)変化球と思われがちですけど、しっかりまっすぐを両コーナーに投げられたら変化球も生きるので、いかにまっすぐを速く見せるかかなんです」

 そうやって、6回を投げ切り3安打1失点(自責点0)としっかり役目を果たしたのだった。

 一方の打線の方は、2回裏に、5番のサンタナが昨日に引き続き、逆方向への本塁打で1点を先制。そのサンタナのマズい守備もあって、6回表に同点を許すのだが、その裏には2死から四球と安打でつないだチャンスから、7番のオスナがセンター前へのタイムリーを放ち、1点を勝ち越した。

 ここからはブルペンの出番だった。昨日、勝利投手となった石山泰稚が7回を無失点。8回は清水昇が走者は出しながらも得点を与えなかった。
 
 そして9回からはマクガフが登板。1死から吉田には安打を浴びたが、それでも、杉本裕太郎や岡田といった一発のある打者に臆せず立ち向かい、得点を与えなかったことの意義は大きい。

 先発投手が粘り、打線がなんとか勝ち越し。リリーフ陣でしっかり繋いだ試合でクローザーが締めた。

 石川は「27個のアウトをいかにとって、いかに相手より点を取るかがスワローズの野球だと思う。東京で(日本一を)決めたいと思います」と力を込めた。

 石川の予言通り、ヤクルトは明日の第5戦で、日本一を決めることができるだろうか。 

文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』『甲子園は通過点です』(ともに新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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