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プロ野球

栗山ジャパンの「戦い方」はどうなる? 意外に“保守派”の男に期待される大谷翔平の代表招集<SLUGGER>

出野哲也

2021.12.08

球史に残る圧巻の二刀流でMVPを獲得した大谷。WBCの大舞台でもその姿を披露することはできるだろうか。(C)Getty Images

球史に残る圧巻の二刀流でMVPを獲得した大谷。WBCの大舞台でもその姿を披露することはできるだろうか。(C)Getty Images

「怪我人だけは絶対出さないように」とも言っていたが、代表メンバーに普段と違う役割を押しつけ、所属球団に迷惑をかけることになっては「俺が悪い」では済まされない。

 単独チームを率いるのであれば多少の冒険もできるが、「日の丸を背負って戦う」となると責任の重さは違うし、ファンが求めているのもエンターテインメントではなく純粋に勝利だ。歴代の代表監督がそうした制約を抱えながら戦ってきたように、オーソドックスな采配にならざるを得ないと思われる。 
 
 それでもなお独自色を出せるとしたら、やはり大谷の存在だ。

 会見では「必要ですか? 翔平」などととぼけていたけれども、その点も監督に任命された要因であるのは本人も承知しているだろう。もちろん代表に加わることが大前提となるが、エンジェルス(もしくは23年に在籍している球団)の顔色をうかがうことなく大谷を使える監督がいるとしたら、強い信頼関係で結ばれている栗山以外にいない。「先発投手・DH」だけでなく、場合によっては外野手やクローザーとしての起用もあるかもしれない。 

 ところで、栗山監督の長所であり同時に短所でもあるのは、これと見込んだ選手は頑なに使い続ける点である。批判に耳を貸すことなく大谷を開花させ、来日当初は全然打てなかったブランドン・レアード(現・千葉ロッテ)が本塁打王にまでなった一方で、ドラフト1位指名で加入した斎藤佑樹や清宮幸太郎は期待に応えられなかった。

 日本代表でも、調子が上がらないからといって主力を簡単に外したりはしないはず。そのあたりの見極めが的確にできるかどうかが、代表監督としての成否を分けそうだ。  

文●出野哲也 

【著者プロフィール】 
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。主な著書は『改正新版メジャー・リーグ人名事典』『メジャー・リーグ球団史』など。最新刊『プロ野球ドラフト総検証1965―』も発売中(いずれも言視舎)。 

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