専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

T・ローズやブーマーも入るべき?実績は充分なのに殿堂入りしていない名選手6選【豊浦彰太郎のベースボール一刀両断!】<SLUGGER>

豊浦彰太郞

2022.01.25

■エキスパート部門

▼ブーマー・ウェルズ(25.3%) 
 このカテゴリーでは、ランディ・バースが「あと一歩」まで票を伸ばして話題になっている。確かにバースのインパクトは凄まじい。2年連続三冠王に加え、シーズン打率.389の史上最高記録を持っている。だが、バースの実働はわずか6年でしかない。

 むしろ、ブーマーを評価すべきではないか。三冠王は一度「しかない」が、積み上げた記録、全盛期のインパクトとも十分だ。彼に欠けているのは、いつもスタンドがガラガラだった頃のパ・リーグの選手だったことによる認知度だろう。

 プレーヤー部門でのローズもそうだが、彼らレジェンド外国人選手の存在は、野球殿堂とは誰を対象にしたものか、という素朴な疑問を抱かせる。「日本の殿堂」なのか、それとも「日本人の殿堂」なのか。
 
▼土井正博
 エキスパート表彰の対象にすらなっていない。しかし、通算2452安打&465本塁打の両方で彼を上回るのは、日米合算での松井秀喜を含めても史上7人しかいない。また、現役を退いた後の長年にわたるコーチとしての実績も評価に値するのではないか。

 土井の殿堂入りが躊躇される要因として、70年に黒い霧事件で書類送検され、1ヵ月の出場停止処分を受けたことや、西武の打撃コーチを務めていた89年に麻雀賭博に絡んで逮捕されたことがあるのかもしれない。しかし、課せられた処分に服した上で復帰し、現役時代から数えて約60年近くも球界に貢献したのだ。いつまでもこだわっているべきだろうか。

 なお、上記に名前を挙げたのはほんの一部だ。通算188勝の川崎徳次、2000安打に到達した松原誠と加藤秀司、“ミスター・ロッテ”有藤通世、通算打率歴代1位のレロン・リー……殿堂入りに値する実績を残しながら未選出の者は枚挙にいとまがない。

 残念ながら、アメリカに比べると、日本の「殿堂入り」のステータスは低いと言わざるを得ない。野球選手としての最大の栄誉は、はむしろ名球会入りとなっている。その理由はいくつもあるが、名球会はその基準が「野手は2000本安打、投手は200勝または250セーブ」と(適切かどうかは別にして)明確であることに対し、殿堂入りの選出はこれまで公平だったとは言い難いこともその一つだろう。入るべき人物を迎え入れてこそ、殿堂入りの公平さは担保されるのではないだろうか。

文●豊浦彰太郎

【著者プロフィール】
北米61球場を訪れ、北京、台湾、シドニー、メキシコ、ロンドンでもメジャーを観戦。ただし、会社勤めの悲しさで球宴とポストシーズンは未経験。好きな街はデトロイト、球場はドジャー・スタジアム、選手はレジー・ジャクソン。

【PHOTO】世界が驚嘆する偉才・大谷翔平のキャリアを厳選ショットで一挙公開!花巻東、日ハム、エンジェルスでの活躍を振り返る
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号