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MLB

オティーズとはあまりにも対照的…サミー・ソーサの殿堂入り記者投票が静かに幕引き【豊浦彰太郎のベースボール一刀両断!】<SLUGGER>

豊浦彰太郞

2022.02.01

 09年には『ニューヨーク・タイムズ』紙が、03年にMLBが非公式に実施した薬物検査で、ソーサもオティーズやアレックス・ロドリゲスと同様に陽性反応を示していたことを報じた。その後ロドリゲスは、13年のバイオジェネシス・スキャンダルで薬物使用が改めて明るみに出て、翌14年はフルシーズン出場停止処分を受けている。しかしオティーズに関しては、コミッショナーのロブ・マンフレッドが「あの検査は信頼性が十分でない」とし、「オティーズに薬物使用者の烙印を押すべきではない」と弁護したほどだった。

 だが、ソーサは糾弾されることもない代わりに、擁護されることもなく、その後の検査では陽性反応を示したことがないにもかかわらず、ステロイドユーザーとみなされている。今回の投票におけるオティーズとの対照的な結果は、まさにそれが大きな要因だ。

 なお、オティーズとソーサの2人を通算成績で比較すると、ソーサは通算609本塁打でオティーズは541本。総合的な貢献度を表すWAR(Baeball Reference版)はソーサが58.6で、オティーズは55.3だ。強打者タイプの殿堂入り当確ラインが70あたりとされていることを考慮すると、意外にも2人ともあまり高くない。ソーサは比較的早打ちで出塁率は高くなかったこと、オティーズは基本的に指名打者であったことがそれぞれ影響しているのだろう。
 
 だが、数字にほとんど差がないにもかかわらず、殿堂入り投票でここまで圧倒的な差がついたことに、客観的かつ正当な理由は見当たらないと思う。

 薬物疑惑のある者として、ここまで歴史から抹殺されていることに関しても、ある意味では不公平だと思う。ボンズやクレメンスの落選については賛否両論が出ているが、ソーサはまったくスルーされている。このことはラッキーだったという見方もあると思うが、ぼくはむしろ悲劇と捉えたい。

 もちろん、ボンズにもクレメンスにもシリングにも、そしてソーサにも時代委員会での敗者復活の道は残されている。だが、このままではその時にも、ソーサだけが置いてきぼりを食うような気がしてならない。

文●豊浦彰太郎

【著者プロフィール】
北米61球場を訪れ、北京、台湾、シドニー、メキシコ、ロンドンでもメジャーを観戦。ただし、会社勤めの悲しさで球宴とポストシーズンは未経験。好きな街はデトロイト、球場はドジャー・スタジアム、選手はレジー・ジャクソン。
 
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