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プロ野球

T・ローズやブーマーも入るべき?実績は充分なのに殿堂入りしていない名選手6選【豊浦彰太郎のベースボール一刀両断!】<SLUGGER>

豊浦彰太郞

2022.01.25

通算400本塁打をクリアした助っ人はローズだけ。13年にわたって活躍した事実からも、ローズは殿堂入りするべきだ。写真:産経新聞社

通算400本塁打をクリアした助っ人はローズだけ。13年にわたって活躍した事実からも、ローズは殿堂入りするべきだ。写真:産経新聞社

 1月14日、今年の野球殿堂入りが発表された。競技者表彰では歴代2位の通算286セーブを挙げた高津臣吾、史上最長の実働29年で通算219勝の山本昌が選出。特別表彰では元東海大学長で首都大学野球連盟を創立した故・松前重義が殿堂に迎えられた。競技者表彰の2人はいずれもプレーヤー部門で、エキスパート部門は残念ながら2年連続選出なしとなった。

 選出された3名に対しては何の異論もないが、本来殿堂入りしてしかるべき実績を残しながらまだ正当な評価を得ていない元選手は少なくない。ここでは、その中から個人的に気になる数人を紹介したい。

■プレーヤー部門

▼黒田博樹(投票1年目/投票率45.7%)
 2016年の引退から5年が経過し、今回から投票対象となった。いきなり50%近い票を得ているので、今後の選出は間違いない(殿堂入りには75%が必要)が、彼の場合は初年度選出されるべきだと思うのでここで挙げた。

 通算勝利は日米の合計で203。日本の野球殿堂入りを議論するにあたって「日米通算」を持ち出すのは個人的には反対だ。だが、NPBのキャリアが5年しかない(その間の成績は凄まじいが)野茂英雄をプレーヤー表彰で投票1年目に選出した時点で、殿堂入り投票においてそれはアリとなったと解釈している。ましてや現代野球における200勝の価値は高い。

「毎年じわじわ票を伸ばし、最終的に選出」というケースが日米とも少なくない。しかし、引退した後、選手はそれ以上成績を伸ばすことができない。ならば、選出に値する人物は初回に選ばれるべきだし、それが難しいなら、投票システムを改善すべきだろう。
 
▼タフィー・ローズ(8年目/15.5%)
 投票ではジリ貧状態にあるが、通算464本塁打(歴代13位)でOPSも.940(通算4000打数以上で歴代5位)と申し分ない。タイトルも本塁打王を4回、打点王は3回獲得している。01年には当時のNPB記録に並ぶ55本塁打でMVPにも選出。殿堂入り投票においては、通算成績とピーク時の傑出度の両方を重視したいと思う。その観点からも、彼を排除する理由は何もない。史上初の300勝投手ヴィクトル・スタルヒン(ロシア出身)や、与那嶺要(ハワイ出身の日系2世)が選出されている時点で、外国出身選手は対象にならないというルールもないはずだ。

▼松中信彦(2年目/12.7%)

 現時点で最後の三冠王。タイトル獲得歴は首位打者2回、本塁打王2回、打点王3回と、全盛期の活躍は鮮烈だ。通算成績でも打率.296、352本塁打、OPS.925としっかり結果を残している。ただ、通算安打が2000本に届いていない(1767安打)。さらに言えば、15年オフのソフトバンク退団後、どこにも拾われることなく「球界から見捨てられ引退を余儀なくされた」イメージで損をしているのかもしれない。

▼小笠原道大(2年目/7.5%)
 21世紀以降は選手寿命が長くなり、キャリア終盤に淡々と安打数を積み上げて2000本に乗せた選手は少なくない。小笠原の場合もそうで、それが悪印象になっているのかもしれないが、378本塁打&OPS.932とオールラウンドな打力は立派のひと言。首位打者2回、本塁打王と打点王にも1回ずつ輝いている。だが、今回の得票率は前年から半減。このままでは、近い将来規定の3%を下回って、プレーヤー表彰の資格を失ってしまいそうだ。
 

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