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プロ野球

平成の松坂と昭和の江川。球史を彩った2人の怪物の物悲しい共通点とは【豊浦彰太郎のベースボール一刀両断!】

豊浦彰太郞

2021.07.21

プロ入り前の輝きがあまりにも鮮烈すぎた松坂。その点は、同じく“怪物”と呼ばれた江川卓にも共通するだろう。写真:山崎賢人

プロ入り前の輝きがあまりにも鮮烈すぎた松坂。その点は、同じく“怪物”と呼ばれた江川卓にも共通するだろう。写真:山崎賢人

 松坂大輔(西武)が今季限りの引退を表明した。彼が“平成の怪物”と呼ばれたのは、昭和の時代に元祖“怪物”の江川卓がいたからだが、この2人には共通項が多い。

 まずは怪物というニックネームの由来。ともにアマチュア時代の超人的活躍によってのものだ。もちろん、彼らはプロでも立派な成績を残したが、こう呼ばれるようになったのはそれ以前のことである。

 江川の方は、作新学院時代はノーヒットノーラン9回、完全試合2回。1973年春のセンバツでは大会記録となる60奪三振を記録し、法政大では東京六大学リーグ史上2位の通算47勝を挙げた(4年秋には最多タイ記録となる48勝も射程圏だったが、あえて最終戦での登板を見送っている)。

 一方、松坂の活躍はリアルタイムで見届けたファンも多いはずだ。横浜高の3年生だった98年には、150キロを超える剛速球と切れ味鋭いスライダーで、甲子園春夏連覇。特に夏決勝の京都成章戦ではノーヒットノーランも達成するなど、まさに“平成の怪物”の名に恥じぬ活躍だった。

 これらのパフォーマンスによって、彼らのプロ入り後の期待値が目いっぱい高くなったことは言うまでもない。プロでの通算勝利数は江川が135勝、松坂は日米合算で170勝と、十分に一流と胸を張れるものだ。だが、ファンの立場から見て、アマ時代の“怪物”ぶりに見合うかというと、その点は議論の余地があるだろう。
 
 もちろん、2人の実績を勝ち星で測るのは正しくない。江川の場合、81年のように投手三冠&勝率リーグトップでMVPに輝くなど、相手打線を「圧倒した」という表現がぴったりの、傑出したシーズンがあった(それでも沢村賞には選出されなかった)。84年のオールスターでは8者連続奪三振という、今も語り継がれるパフォーマンスもあった。

 松坂は、ルーキーイヤーからいきなり3年連続で最多勝利のタイトルを獲得。奪三振王も4回、最優秀防御率も2回と赫々たるものだ。2006年・09年のWBCではいずれも日本の世界一に大きく貢献し、MVPに輝いた。

 しかし、江川はプロ生活わずか9年、32歳の若さで現役に幕を下ろしてしまった。引退会見では、「投手生命を賭けた禁断のツボへの鍼灸」を敢行したと語って(ちなみにこれは作り話だったとか)燃え尽きを強調したが、最終年も13勝(5敗)、防御率3.51という立派な成績を残しており、なんともあっさり現役生活に見切りを付けた印象を与えた。
 
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「ワガママ」と糾弾された江川

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