2位:菊池雄星(花巻東→09年ドラフト1位西武)
歴代ナンバーワンの高校生左腕と言えば、やはり菊池になるだろう。1年夏に出場した甲子園では正直そこまで凄みを感じなかったが、3年春のセンバツでは別人のような力強さに驚かされたのをよく覚えている。あわやノーヒットノーランだった鵡川戦も素晴らしかったが、とりわけ圧巻だったのが、2回戦での明豊戦。今宮健太(現ソフトバンク)との対戦だ。
内角さばきが上手い今宮に対し、あえてその内角の速いボールで真っ向勝負を挑み、完璧に詰まらせたピッチングは見事というほかになかった。右打者は特に向かってくるボールを速く感じると言うが、菊池のクロスファイアーはサウスポーらしい角度も抜群で、打者が思わず天を仰ぐような空振りになるシーンも多かった。
1位:佐々木朗希(大船渡→19年ドラフト1位ロッテ)
1位は、まったく迷うことなく佐々木を選んだ。高校2年夏に154キロを投げた試合にも驚かされたが、3年春の練習試合で156キロ、3年夏の岩手大会で160キロとその後も順調にスピードアップ。最初に見た時のインパクトが強いと、2回目以降は期待の高さから物足りなく感じるケースも多い。
しかし、佐々木の場合はそういったケースが一切なく、常に新鮮な衝撃を与え続けてくれた。スピードガンの数字だけでなく、伸びやかなフォームと安定した球筋も圧倒的なものがあり、すべてのカテゴリー、すべてのポジションの中でも衝撃を受けた選手という意味では、間違いなく歴代ナンバーワンの選手である。
他にも内竜也(川崎工)、山口俊(柳ヶ浦)、辻内崇伸(大阪桐蔭)、鶴直人(近大付)、佐藤由規(仙台育英)、藤浪晋太郎(大阪桐蔭)、安楽智大(済美)、今井達也(作新学院)、石川翔(青藍泰斗)、吉田輝星(金足農)、奥川恭伸(星稜)、山下舜平大(福岡大大濠)などのストレートも強く印象に残っているが、当時の突出度とインパクトから5人を選んだ。
また、大谷翔平(花巻東)については、160キロをマークした3年夏の岩手大会を現地で見ていないということで今回はランクインしていない。現時点で高校時代に160キロを超えたのは大谷と佐々木の2人だが、近年のスピードアップを考えると彼らを超える投手の登場も十分に期待できるだろう。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
【動画】"令和の怪物"・佐々木の圧巻ストレートがこれだ!
歴代ナンバーワンの高校生左腕と言えば、やはり菊池になるだろう。1年夏に出場した甲子園では正直そこまで凄みを感じなかったが、3年春のセンバツでは別人のような力強さに驚かされたのをよく覚えている。あわやノーヒットノーランだった鵡川戦も素晴らしかったが、とりわけ圧巻だったのが、2回戦での明豊戦。今宮健太(現ソフトバンク)との対戦だ。
内角さばきが上手い今宮に対し、あえてその内角の速いボールで真っ向勝負を挑み、完璧に詰まらせたピッチングは見事というほかになかった。右打者は特に向かってくるボールを速く感じると言うが、菊池のクロスファイアーはサウスポーらしい角度も抜群で、打者が思わず天を仰ぐような空振りになるシーンも多かった。
1位:佐々木朗希(大船渡→19年ドラフト1位ロッテ)
1位は、まったく迷うことなく佐々木を選んだ。高校2年夏に154キロを投げた試合にも驚かされたが、3年春の練習試合で156キロ、3年夏の岩手大会で160キロとその後も順調にスピードアップ。最初に見た時のインパクトが強いと、2回目以降は期待の高さから物足りなく感じるケースも多い。
しかし、佐々木の場合はそういったケースが一切なく、常に新鮮な衝撃を与え続けてくれた。スピードガンの数字だけでなく、伸びやかなフォームと安定した球筋も圧倒的なものがあり、すべてのカテゴリー、すべてのポジションの中でも衝撃を受けた選手という意味では、間違いなく歴代ナンバーワンの選手である。
他にも内竜也(川崎工)、山口俊(柳ヶ浦)、辻内崇伸(大阪桐蔭)、鶴直人(近大付)、佐藤由規(仙台育英)、藤浪晋太郎(大阪桐蔭)、安楽智大(済美)、今井達也(作新学院)、石川翔(青藍泰斗)、吉田輝星(金足農)、奥川恭伸(星稜)、山下舜平大(福岡大大濠)などのストレートも強く印象に残っているが、当時の突出度とインパクトから5人を選んだ。
また、大谷翔平(花巻東)については、160キロをマークした3年夏の岩手大会を現地で見ていないということで今回はランクインしていない。現時点で高校時代に160キロを超えたのは大谷と佐々木の2人だが、近年のスピードアップを考えると彼らを超える投手の登場も十分に期待できるだろう。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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