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プロ野球

石川昂弥の三塁抜擢&高橋周平の二塁転向を決断!立浪新監督に見る「星野イズム」の継承<SLUGGER>

久保田市郎(SLUGGER編集長)

2022.02.26

 もちろん、当時と今とではだいぶ状況が違う。88年も99年も前年は2位で、優勝を狙う力が十分に備わっていたなかでのルーキー抜擢だった。対して今回は長期低迷が続くなか、言わばブレイクスルーを狙っての抜擢になる。

 だからこそ、立浪監督には我慢が求められる。ちょっとやそっとの不振でコロコロと代えるようでは、チームを長く支える軸は育たない。

 それはおそらく立浪監督自身が誰よりも分かっているのではないだろうか。ドラゴンズのオフィシャルファンクラブガイドに掲載されたインタビューで、52歳の指揮官は次のように語っている。

「使う方にも我慢は必要。孝介もそうだし、自分もそうだったでしょうし、これと思った選手は使い続けるというね。また、選手も監督やコーチにそう思わせるものがないといけないんですけど」
 
「野手はそう簡単にレギュラーを獲れるものじゃないですけど、自分たちにもある程度、我慢しないとだめだし、これだと思える選手をしっかり探して、いけると思ったら使っていきます」

 オープン戦では、石川以外にも岡林勇希、ドラフト2位ルーキーの鵜飼航丞に多くの出場機会が与えられるはず。根尾昂も含め、立浪監督に「いける」と思わせるのは一体誰なのか。

 オフに助っ人外国人の補強がなかったことが散々批判されたドラゴンズだが、それによってチャンスをつかむ若手選手が出てくるなら、災い転じて福となる可能性も十分ある。2022年のドラゴンズのオープン戦は、かなり要注目かもしれない。

文●久保田市郎(SLUGGER編集長)

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