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MLB

ノーヒッターに「6の字ひげ」、サイン盗み告発。話題を振り撒き続けたファイアーズの1年間

宇根夏樹

2019.11.15

 ちなみに、その前の登板はアストロズの本拠地ミニッツメイド・パークで投げ、サインを盗まれていたかどうかは不明ながら初回の被本塁打3本に続き、2回にも2本打たれ、3アウトしか取れずに交代した。『ジ・アスレティック』によると、ファイアーズがサイン盗みを告発したのは「試合を少しクリーンにしたいと思った」のが理由だという。サインを盗まれていると気づかない若手が、試合早々に打ち込まれ、マイナーに落とされてそのまま再昇格できないケースがある、と彼は語っている。

 さらに、ひげとサイン盗み告発の前には、本業のピッチングでもスポットライトを浴びた。5月7日のレッズ戦で、ファイアーズは4年ぶり2度目のノーヒッターを達成した。これは、メジャー史上300度目(ポストシーズンも含む)でもある。ちなみに、最初のノーヒッターはアストロズ時代の15年8月21日のドジャース戦。舞台は何を隠そうミニッツメイド・パークだったが、『ジ・アスレティック』の記事が正しければ、当時はビデオカメラによるサイン盗みはまだ行われていなかったようだ。
 
 そういえば、3月20日の日本開幕戦で先発マウンドに立って、第1球を投じたのもファイアーズだった。この試合ではドミンゴ・サンタナに3ラン本塁打を浴びるなどして3回5失点で降板、負け投手になった。いずれにしても、2019年がファイアーズ本人にとっても忘れられないシーズンになったのは間違いないだろう。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
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