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プロ野球

課題だったストレートも克服!二軍で打棒爆発中の根尾昂が「竜の正遊撃手」となる日<SLUGGER>

久保田市郎(SLUGGER編集長)

2022.05.07

 とくに目を惹くのが、4月のソフトバンク戦で放ったツーベースだ。甲斐野央の内角高めの157キロのストレートを痛烈にライトへ弾き返した。ストレートへの対応がずっと課題として挙げられてきた中で、一軍での実績十分の甲斐野を攻略できたことは、本人にとっても大きな自信になったはずだ。

 これで、二軍での今季成績は42打数で打率.286、1本塁打、出塁率.362、長打率.571、OPS.933。ヒット12本のうち長打が実に7本を占める。サンプルサイズは少ないとはいえ、4年目にしてようやく本来期待されていた打撃を披露できていると言っていいだろう。

 遊撃守備でも、三遊間奥深くから強肩を発揮したり、ダイビングキャッチを見せたりとはつらつとした動きが目立つ。立浪監督は「ショートはまず守り」と明言しているだけに、今後もアピールを続けていきたいところだ。
 
 元々、ショートへの再コンバート決定は、不動の正遊撃手だった京田陽太が開幕から精彩を欠いていたことが背景にあった。その京田は5日のDeNA戦の途中で名古屋に強制送還され、二軍へ降格。6日の二軍阪神戦は根尾がショート、京田が二塁で出場した。周囲を取り巻く環境も、間違いなく根尾を後押ししている。

 目下、一軍では石川昂弥が三塁に定着し、日々一進一退を繰り返しながらも「将来の4番候補」に恥じぬポテンシャルを披露。他にも岡林勇希が外野の一角に定着、ドラフト2位ルーキーの鵜飼航丞も豪快な打撃(と空振り)でファンを沸かせている。投手陣では、高卒2年目の高橋宏斗が頭角を現してきた。

 ここに「ショート・根尾」が加わったら――。

 低迷中にもかかわらず高校生重視・素材重視ドラフトを続けてきた地道な再建策がやっと実を結ぶ日がようやく来るのか。ドラゴンズは今、間違いなくターニング・ポイントを迎えようとしている。

構成●SLUGGER編集部
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