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プロ野球

目指すべき道は本当に「二刀流」なのか。立浪監督が描く将来像における「投手・根尾」の位置付け<SLUGGER>

久保田市郎(SLUGGER編集長)

2022.05.22

現在は先発に専念しているロレンゼンだが、レッズ時代はリリーフと外野を兼任する二刀流だった。(C)Getty Images

現在は先発に専念しているロレンゼンだが、レッズ時代はリリーフと外野を兼任する二刀流だった。(C)Getty Images

 この年の9月5日には「勝利投手・本塁打・外野守備」を1試合で記録するというルース以来98年ぶりの記録も達成。18年には31打数で打率.290、4本塁打と打撃でも活躍しており、立派な二刀流選手としてカテゴライズできる。

 問題は、根尾が目指すべき道なのは本当に二刀流なのか、ということだ。

 昨季終了後に一度は正式に外野へコンバートされたが、今年4月になって遊撃再挑戦が決定。ただ、一軍再昇格後は外野での出場が多い。そもそも、打撃や遊撃守備など本職の「野手」で抱える課題が多い現段階で、「二刀流」を云々すること自体が時期尚早に思える。

 根尾は、5月8日の二軍阪神戦でマウンドにも上がっている。この時、片岡篤史二軍監督は「甲子園のマウンドで投げることによってピッチャーから見たバッターのタイミング、いろんなことを思い出して、何かいいきっかけにしてくれたら」と起用の理由を説明していた。
 立浪監督は「根尾を生かしていかないといけない。今年1年で根尾のことは考えながらやっていきたい」とも語っている。生真面目な立浪監督のこと、単なる話題作りを目的に登板させるはずはない。さまざまな選択肢を考慮しながら、根尾の可能性を開花させる方法を模索しているのだろう。

 その中で「投手・根尾」は、今回のように大量リードされた場面でたまに登板する程度の位置付けなのか。あるいはロレンゼンと同じ野手兼リリーフ投手として本格的に稼働する「二刀流」が視野に入っているのか。

 今シーズンが終わる頃までには立浪監督が描く根尾の将来像がより鮮明に見えてくるかもしれない。

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