だが、ロドリゲス自身は常にすべてを兼ね備えた選手になりたいと思っていた。過去2年のオフシーズンは、元NFLのランニングバックだったトレーナーのヨー・マーフィーの指導の下、センターのレギュラー獲得を目指してタンパでスピードと走塁のトレーニングに取り組んでいた。脂肪を落として筋肉をつけ、俊敏性を高めた。今や彼はマイナーも含めてマリナーズで最も足が速い選手の一人となった。
「この2年間、きちんと準備をして、チャンスを生かすことができたからこそ、僕は今ここにいる」とロドリゲスは言う。「自分自身の成長について言えば、それが一番大きかったと思う」
グリフィーJr.と比較され、マリナーズではアレックス・ロドリゲス以来の超大物ルーキーと騒がれているロドリゲスだが、もう一人のマリナーズのレジェンドとの関係もまた、彼の大いに成長を助けた。
2021年のスプリング・トレーニング以降、ロドリゲスとイチローはユニークな関係を育んできた。それは、ワームアップでのキャッチボールや打撃練習中の競争から始まった。打撃練習でロドリゲスが自分の打球に惚れ惚れしていると、打撃投手を務めていたイチローがわざと速い球を投げたり、変化球を織り交ぜたりしてからかった。
「直接会うまで、彼があんなにフレンドリーな人だとは思っていなかった」とロドリゲスはイチローについて言う。「自分の世界にこもっている人なんだと思っていた。でも、見てもらえれば分かる通り、僕らと一緒に雑談したり、ふざけ合ったりしてくれるんだ」
ロドリゲスが初めてイチローと会ったのは19年のスプリング・トレーニングだった。当時、イチローは現役最後の舞台となる日本での開幕シリーズに供えていた。未来のホール・オブ・フェイマーの打撃練習を目の当たりにしたロドリゲスは、おそるおそる記念撮影を頼んだ。
思慮深く分析し、簡単には人を褒めないイチローだが、ロドリゲスの向上心、活力、日々の準備への献身には感服している。
「あれほどの才能を持った選手がきちんと試合への準備を怠らず、毎日全力を尽くし、自分の限界へ向けて努力を続けられるか?」。イチローは通訳のアレン・ターナーを介して語った。「彼にはそれができるだけの強い信念があります」
6月4日(現地)、ロドリゲスが5月のア・リーグ月間最優秀新人に選ばれたことが発表された。21歳156日での受賞は球団史上最年少。1977年の球団創設以来、一度もワールドシリーズ出場を果たしたことがないマリナーズの未来を変えるのはこの男しかいない。
文●ライアン・ディビッシュ
「この2年間、きちんと準備をして、チャンスを生かすことができたからこそ、僕は今ここにいる」とロドリゲスは言う。「自分自身の成長について言えば、それが一番大きかったと思う」
グリフィーJr.と比較され、マリナーズではアレックス・ロドリゲス以来の超大物ルーキーと騒がれているロドリゲスだが、もう一人のマリナーズのレジェンドとの関係もまた、彼の大いに成長を助けた。
2021年のスプリング・トレーニング以降、ロドリゲスとイチローはユニークな関係を育んできた。それは、ワームアップでのキャッチボールや打撃練習中の競争から始まった。打撃練習でロドリゲスが自分の打球に惚れ惚れしていると、打撃投手を務めていたイチローがわざと速い球を投げたり、変化球を織り交ぜたりしてからかった。
「直接会うまで、彼があんなにフレンドリーな人だとは思っていなかった」とロドリゲスはイチローについて言う。「自分の世界にこもっている人なんだと思っていた。でも、見てもらえれば分かる通り、僕らと一緒に雑談したり、ふざけ合ったりしてくれるんだ」
ロドリゲスが初めてイチローと会ったのは19年のスプリング・トレーニングだった。当時、イチローは現役最後の舞台となる日本での開幕シリーズに供えていた。未来のホール・オブ・フェイマーの打撃練習を目の当たりにしたロドリゲスは、おそるおそる記念撮影を頼んだ。
思慮深く分析し、簡単には人を褒めないイチローだが、ロドリゲスの向上心、活力、日々の準備への献身には感服している。
「あれほどの才能を持った選手がきちんと試合への準備を怠らず、毎日全力を尽くし、自分の限界へ向けて努力を続けられるか?」。イチローは通訳のアレン・ターナーを介して語った。「彼にはそれができるだけの強い信念があります」
6月4日(現地)、ロドリゲスが5月のア・リーグ月間最優秀新人に選ばれたことが発表された。21歳156日での受賞は球団史上最年少。1977年の球団創設以来、一度もワールドシリーズ出場を果たしたことがないマリナーズの未来を変えるのはこの男しかいない。
文●ライアン・ディビッシュ