専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

幻惑投法で大谷翔平に挑んだ“ナスティ・ネスター”。ヤンキースを支える苦労人左腕の「適応能力」と熱い想い<SLUGGER>

杉浦大介

2022.06.24

 状況に応じて上手に適応する能力も武器になっているのだろう。コルテスの名は知らなくとも、昨年6月に大谷翔平(エンジェルス)に対して変則モーションで挑んだ投手といえば思い出すファンも多いかもしれない。

 ヤンキー・スタジアムでの2試合で計3本塁打を放つなど絶好調だった大谷を打席に迎え、コルテスは軸足をバタバタとさせ、さらに超スローに足を上げる変則モーションやスーパークイック投法、極端なサイドスローといったフォームを駆使。あの手この手でタイミングを外し、大谷をセンターフライに打ち取ってほくそ笑んだ。

「2日連続での対戦だったから、アプローチを変えなければいけないと思った。オオタニは本当にいい打者だから、間を置かずに対戦する時には、何か別のことをしなければいけないと考えたんだ」

 そんな言葉からは、自身を過信せず、あらゆる手を尽くして打者を打ち取ろうとするコルテスの真骨頂が見えてくるようだ。

 今年6月2日、再びニューヨークで迎えた大谷との対決では、ほぼ正攻法で勝負して3打数1安打。試合後に「いい球を投げてもヒットは打たれた。彼はそれだけの打者だから、単打だったら構わない」と笑う姿からは、大谷へのリスペクトと、メジャーの先発投手として身につけ始めた自信が感じられた。
【動画】大谷も苦笑いの“幻惑”ぶり! 赤丸急上昇中のコルテスとの対戦をチェック
 
 もちろん、コルテスの好調がこのまま続くかどうかは分からない。事実、直近3先発中2先発で自責点4と調子は少々下降気味だ。これまで、18年の115イニングが最多のコルテスが今季すでに74イニングとハイペースで投げてきたことの反動も気になるところ。

 そんな懸念を捨てきれない一方で、これまで創意工夫でしぶとく生き残ってきたコルテスなら、また適応の道を見つけるという期待感もある。一見するとメジャーの主戦投手には見えない小柄な技巧派。ユーモラスな髭も特徴的な“ナスティ・ネスター”は、こんな熱い想いを胸に抱いてマウンドに立っている。

「僕は身長に恵まれているわけではないし、今の多くの好投手たちのように100マイルの速球も投げられるわけでもない。世界中には僕のように体格に恵まれない多くの子どもたちがいるはずだ。そういう条件は選んだわけではなく、生まれ持ったもの。僕が成功すれば、そんな子どもたちを勇気づけられると思う。諦めずに努力を続ければ、何かを成し遂げられるものなんだ」

 キューバで生まれ、7歳の時にアメリカに移住した左腕は真のサバイバーだ。この苦労人左腕が活躍を続け、ポストシーズンの先発を任されるようなことがあれば、世界中にポジティブなメッセージを送り届けることができるはずである。

文●杉浦大介

【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。

【関連記事】「これ以上にない驚きだ!」大谷翔平が自己最多13K!前日2HR8打点の“二刀流”ぶりに現地メディアは驚愕「非常識だ」

【関連記事】「これがストライクだと思いますか?」大谷翔平に次々と襲い掛かる“不可解ジャッジ”に米メディアが憤慨!「ショーヘイはノーと言う」

【関連記事】「この時代の最高の存在!」2発8打点の大谷翔平に昨季HR王ペレスが最敬礼!「オオタニがやることは信じられない」
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号