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DH部門で逆転ファン投票選出は難しい情勢だが…大谷翔平「2年連続オールスター出場」の条件<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.06.22

21日に発表されたオールスター中間発表でDH部門次点に終わった大谷(左)。人気面は1位のアルバレス(右上)や3位のJD(右下)以上だが、こと打力面で大きな差が……。(C)Getty Images

21日に発表されたオールスター中間発表でDH部門次点に終わった大谷(左)。人気面は1位のアルバレス(右上)や3位のJD(右下)以上だが、こと打力面で大きな差が……。(C)Getty Images

 現地6月21日、メジャーリーグ機構はオールスター・ゲームのファン投票の第1回中間発表を行い、大谷翔平(エンジェルス)はア・リーグDH部門の2位にランクインした。

 得票数55万5056票は1位のヨーダン・アルバレス(アストロズ)と約28万票差で、3位のJD・マルティネス(レッドソックス)を約25万票引き離している。逆転1位は難しいかもしれないが、投票1、2位の選手だけで先発出場権を争う「フェーズ2」への進出は濃厚。選手間投票もあるため、2年続けての球宴選出は十分に可能な状況だ。

【動画】大谷翔平、完璧な14号アーチ! 球宴“次点”投票結果に異を唱える一発

「日本の、いや世界の大谷翔平が2位なんておかしい!」というファンもいるかもしれない。確かに、投打二刀流という唯一無二のパフォーマンスでファンを魅了していることは誰の目にも明らかだ。ただ、オールスターには「投手部門」「二刀流部門」はなく、少なくとも投票の形としては事実上「打者・大谷」の評価が色濃く反映される。

 では、現時点の「打者・大谷」の成績を他のDHのライバルと比べるとどうなるだろうか。

※数字は6月20日時点。WAR=Baseball-Reference版
●大谷翔平:[打率].252(43位)[本塁打]13(11位)[打点]37(14位)[OPS].789(24位)[WAR]0.8(72位)

●ヨーダン・アルバレス:[打率].311(7位)[本塁打]18(5位)[打点]47(4位)[OPS]1.026(4位)[WAR]3.0(7位)

●JD・マルティネス:[打率].335(2位)[本塁打]8(30位)[打点]29(40位)
[OPS].944(6位)[WAR]1.7(28位)
 
 DH部門得票上位3人の打撃成績を比べると、やはりアルバレスが圧倒的に傑出している。ほぼすべての部門でリーグ5傑に入っており、OPS(出塁率+長打率)1.026は大谷を200ポイント以上も上回っている。これまで40本塁打以上を2回記録している強打者マルティネスは、今季は本塁打数こそ伸び悩んでいるが、打率.335はリーグ2位とさすがの実力を発揮。OPS.944もリーグ6位の高水準だ。

 そうした中で「打者・大谷」の成績を見ると、決して悪い数字ではないけれども、どの部門も傑出しておらず、「ア・リーグ最高のDHだ!」と強く推すのははばかられる。他の2人と比べて盗塁数(7個)が多いといっても、DHとしてはアピールポイントにはなりづらいだろう。

 第一次投票(「フェーズ1」)は6月30日に締め切られ、「フェーズ2」の投票は7月5日~8日にかけて行われる。アルバレスの好調ぶりを見ても、現時点で逆転でのファン投票選出はかなり難しそうだが、それが現実のものにするためにはもちろん大谷自身の大爆発が必要不可欠だ。

 仮にファン投票で選ばれなくとも、選手間投票や監督投票でオールスターメンバーに名を連ねる道は残っている。そこでは二刀流としての価値が加味される可能性も十分あるが、そうだとしても打撃成績にブーストをかけておきたいところ。

 そして、21日のロイヤルズ戦。大谷は6回に14号3ラン、9回にも15号3ランと大暴れ。「俺を見ろ!」と言わんばかりの圧巻のパフォーマンスを見せてくれた。こうした活躍を今後も続けることができれば、昨年に続いて“夏の祭典”の晴れ舞台にスタメンとして出場できるはずである。

構成●SLUGGER編集部

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