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プロ野球

ルーキーイヤーに「79登板」…獅子奮迅の甲斐野央にひそむ看過できない「リスク」

2019.11.21

 甲斐野が与田のようになってしまう、とまでは言わない。与田の話はもう30年近く前のことで、投手の起用法や、肩やヒジのケアなどについても、今とは事情が異なる。だから今季の“登板過多”が、この先の甲斐野にどんな影響を及ぼすのか、それは分からない。だが、心配な前例は直近にも存在する。黒木優太(オリックス)である。

 甲斐野と同じく本格派右腕の黒木は、17年のルーキーイヤーから大車輪の活躍を見せ、オールスターにも出場するほどだった。だが、後半戦は不振に陥って打ち込まれ、前半戦は2点台だった防御率も4.22まで悪化した。2年目も大きな故障こそなかったが、2か月近くも二軍生活を味わうなど成績は下降。そして3年目の今年は春季キャンプ中に右ヒジを故障。6月にはトミー・ジョン手術を受けて全休し、オフには支配下から育成契約に移されてしまった。
 
 黒木の例を見れば分かるように、今年は大丈夫だったからといって、今後も故障しない保証はない。それどころか、年を経るごとにリスクは蓄積していき、発症した時には取り返しがつかなくなる可能性だってある。

 今季の活躍によって、ソフトバンク首脳陣の甲斐野への信頼度は、ますます増しているだろう。だが、今季と同じような起用法を続けていけば、遠からず故障する可能性が高いのではないか。素晴らしい才能を持った投手の将来を潰さないためにも、工藤公康監督は来季の起用法に留意してほしいと思う。

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文●筒居一孝(スラッガー編集部)

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