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プロ野球

「野球以外でも面白いやつだなって思ってもらえたら」コーヒーを愛するロッテの強心臓ルーキー・廣畑敦也の魅力<SLUGGER>

村岡範子

2022.07.14

 本人も「一球ずつ覚えてます」と言うほど強く印象に残ったゲームだった。「自分にとっては初めての全国大会で、それも開幕戦で、相手が前の年の優勝チームで。めちゃくちゃ打たれて負けるか、めちゃくちゃ抑えて勝つか、どっちかだと思ってたんですよ。1球目でストライクを取れた時点で、『今日はいけるな』と思って。試合の入りは最高でしたね」。この快投で、廣畑は一気にプロ注目選手に躍り出た。

 プロ野球の世界に入って半年が過ぎた。「開幕は一軍で投げさせてもらったりとか、いろんな経験をさせてもらってすごく楽しいです」と充実感をにじませる。

 現在はファームで調整中だが、「やりたいことをやらせてもらってるので、それが結果につながってくれば」と焦りはない。「コンディションの維持だったりとか、いろいろチャレンジしながらやらせてもらっています。そういうことはシーズンを通して大事だと思うので、どうすれば自分に合った調整ができるのか、納得いくように取り組んでいます」と現状を教えてくれた。
 
 入寮時にギターを持参してあいみょんの『マリーゴールド』を披露し、コーヒースペシャリストの資格も持つなど、個性的なキャラクターも魅力だ。いくつかあるお気に入りのコーヒー店には「毎週出かけています」と言い、寮では毎日、自分で淹れたコーヒーを楽しむ。カフェ通いや他の選手にコーヒーを振る舞う様子を、インスタグラムに投稿したりもしている。

「野球以外の部分でも面白いやつだなって思ってもらえたらいいかなって思っています」と話す。ファンに対しても「今はコロナとかでファンサービスは難しいですけど」と少し残念そうな表情を見せつつ「ピッチングはもちろんなんですけど、野球選手として楽しんでもらいたい気持ちがたくさんあります」と抱負を語る。

 7月23日に長崎で行われるフレッシュオールスターにも出場が決まり、「三振を狙っていきます!」と意気込む。後半戦は再び一軍で活躍することはもちろん、野球以外でもファンを楽しませてくれることを期待したい。

取材・文●村岡範子

【著者プロフィール】
むらおかのりこ。1983年生まれ。軟式野球チームの監督だった父の影響で小学2年からプロ野球ファンになる。大学上京後、チアリーダーとなり、Jリーグクラブの公式チアリーディングチームのメンバーを務める。2018年から二軍観戦にハマり、可能な限り球場へ足を運ぶ。19年にスポーツサイトでNPB担当ライターを経験し、現在はフリーで活動中。




 

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