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オフのFA補強もマッドン監督解任の決断もことごとく失敗。エンジェルスの低迷を招いたミナシアンGMの“失策”<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.07.25

 新たに獲得した選手の今季年俸総額はおよそ8600万ドルで、彼らのここまでのWARトータルは4.7とエンジェルスを遥かに上回る。断っておくが、ジャイアンツも打つ手すべてが当たったわけではない。再契約した一塁手のブランドン・ベルト、先発右腕のアンソニー・ディスクラファニは不振や故障で低調な成績に終始している。

 それでも、ロドンとピーダーソンがオールスターに選ばれる活躍を披露。特にロドンはシンダーガードとほぼ同じ年俸ながらWARは3.3/0.9と段違いで、もしエンジェルスにいてくれたらチーム状況も変わっていたのでは、と考えずにはいられない。

 もう一つの失策は、言うまでもなくジョー・マッドン監督の途中解任だ。6月7日、12連敗の責任を問う形でマッドン監督のクビを切ったミナシアンGMだが、後任に据えたのはそれまでメジャーで指揮を執ったことがないフィル・ネビン三塁コーチ。マッドン監督下で27勝29敗だったチームは、監督交代後に13勝26敗。戦績を見れば、ミナシアンGMの判断が間違っていたことは火を見るより明らかだ。
 
 ミナシアンGMにとっては、自分が選んだわけでもなく、しかも実績でははるかに格上のマッドン監督は一緒にやりにくい間柄だったのは理解できる。ただ、それを差し引いてもまだ借金2という状態で最優秀監督賞3回の名将を解任するのはかなりリスキーな決断だった。そして実際、その賭けは無残な失敗に終わった。

「(大谷とトラウトの)2人を中心に強いチームを作り上げるためのロードマップは見えている」。7月12日、ミナシアンGMはそう強弁した。だが、昨オフの補強や監督交代劇を見る限り、GMのコメントとは真逆の結果が出ていることは火を見るより明らか。残念ながら現状では、このオフの補強にもあまり期待できそうにない。

構成●SLUGGER編集部
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