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高校野球

【甲子園注目3選手の「将来像」】高松商・浅野は右の吉田正、近江・山田は藤嶋、そして大阪桐蔭・松尾は往年のMVP?<SLUGGER>

西尾典文

2022.08.27

 藤嶋も2016年のドラフトでは5位で指名されており、プロ入り時の評価はそこまで高かったわけではない。ただ、この夏の山田は高校3年時の藤嶋と比べてもストレート、変化球、コントロールすべてにおいて上回っていたこともまた確か。甲子園で3季連続の大活躍で評価も上げたはずだ。変化球はとにかく素晴らしいだけに、ストレートの威力をさらに上げることができれば、不動のセットアッパーまたはクローザーとなることも期待できるだろう。

 松尾は2回戦の聖望学園戦で2本のホームランを放ち、4試合合計で5割を大きく上回る打率を残すなど、さすがの打撃を見せた。そしてそれ以上に成長を見せたのが守備だ。2.00秒を切れば強肩と言われるイニング間のセカンド送球はプロでもトップクラスである1.7秒台をマーク。キャッチング、フットワークも明らかにレベルアップした印象を受けた。

 バッティングを生かして内野手で勝負した方がいいという声も聞かれるが、これだけのスローイングがあることを考えると、まずは捕手でプロ入りという可能性が高いだろう。プロで打てる捕手と言えば、大阪桐蔭の先輩でもある森友哉(西武)が代表格だが、選手のタイプとしては少し違うように見える。イメージとしては少し古くなるが、中尾孝義(元中日)が最も近いのではないだろうか。
 中尾は完全なレギュラーとして活躍したシーズンは多くなかったものの、それでも通算5度の2ケタホームランを放っており、1982年にはMVPにも輝いている。プレーにスピードがあったことが原因で故障も多かったが、万全な状態であれば球史に残る捕手となった可能性は高い。松尾も脚力があり、積極的な走塁も武器なだけに、故障にはくれぐれも気を付けて、長く活躍できる捕手を目指してもらいたいところだ。

 冒頭でも触れたように、超のつく目玉は不在だったが、甲子園の出場回数は松尾が4度(2年春は控え)、山田が3度、浅野が2度と多く、そのたびに強いインパクトを残したことは揺るぎない事実。3人揃ってプロの舞台でも早くから、また長きにわたって輝きを放ってくれることを期待したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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