専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
高校野球

加賀の中村剛也2世、東海ナンバーワン右腕――全国出場を逃したスカウト垂涎の逸材【甲子園未出場組のドラフト候補】

西尾典文

2022.08.29

安西叶翔(常葉大菊川/投手/右投げ・右打ち)

 春から夏にかけて大きく評価を上げてきた大型右腕。サイドとスリークォーターの中間くらいの腕の振りから投げ込むストレートはコンスタントに140キロ台中盤をマークする。長いリーチから後ろが小さく、前が大きい腕の振りというフォームのため、球速以上に打者の手元で勢いがあるのも大きな長所だ。

 今春まではコントロールが不安定で、投げてみないとわからないところがあったが、今夏は大きく成長。担当スカウトも「東海地区の投手ではナンバーワン」と話すように、夏の静岡大会の初戦には30人近いスカウト陣が集結し、部長クラスが顔を見せている球団も少なくなかった。最後は新型コロナウイルス感染でベンチから外れ、チームも4回戦でまさかの大敗を喫しただけに、プロの舞台ではその悔しさを晴らす活躍を期待したい。
西村瑠伊斗(京都外大西/外野手/右投げ・左打ち)

 今年の高校生野手はとりわけ外野手に有力候補が多いのだが、この夏に最も評価を上げたのがこの西村だ。夏の京都大会直前の練習試合には10球団のスカウトが集結。セ・リーグ球団のスカウトからは「打撃に関しては近畿でもナンバーワン。ミート力だけでなく長打力もあり、長打を打たなかった試合を見たことがない」との声も聞かれた。

 その言葉通り、夏の京都大会で西村は6試合で6割を超える打率をマーク。11安打のうち4本がホームラン、8本が長打という大活躍だった。身体は大柄というわけではないが、ヘッドの走りは抜群で、広角に大きい当たりを放てるのが魅力だ。投手としても最速147キロをマークする強肩と俊足も兼ね備えている。強打の外野手という意味では浅野に次ぐ存在と言えるだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

【関連記事】「間違いなく1位で消えますね」――今夏に声価を高めた高松商・浅野翔吾。プロスカウトの“疑念”を打ち砕いた身体能力

【2022ドラフト候補ランキング|1~10位】トップ2は矢澤&蛭間で変わらず。日本文理・田中も“二刀流”に可能性を秘める

【甲子園で評価を上げた野手5人】“大会MVP”の浅野はドラ1指名確定的!? 大阪桐蔭・松尾&聖光学院・山浅の大型捕手もさすが

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号