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プロ野球

濱口遥大はいかにして“暴れ馬”から脱却したのか。6年目の進化の「秘密」【DeNA】

萩原孝弘

2022.09.23

 ただストライクゾーンは、ヒットゾーンでもある。斎藤隆コーチは「ピッチャーだけで成り立っているものではなく、相川(亮二)バッテリーコーチをはじめ、ピッチャーとキャッチャーのコミニュケーションの中で、ただただゾーンに投げていこうということではない」と、バッテリー、チームの作戦面を含めた共同作業ありきの中での「ゾーン勝負」と強調。

 濱口がゾーン内勝負に手応えを感じていることには「もちろんキャッチャーの要求通りに投げられない時もありますけど、(制球の)レベルが上がってきています。開幕からストライクを取れる成長を見せてきてくれているピッチャーだと僕は思っています」と評価。

「フォアボールの数も自分の努力で減らしてきたことが、彼の一番の変化なので。ゾーン内で勝負できていると感じられているところだと思います」と、鍛錬による技術の習得がチーム方針との相乗効果を呼んでいると説いた。
 
 三浦監督も「今まではカウントが悪くなる、ストライクを取らなきゃいけない、甘くなったら打たれて際どいところはボールになる」と負のスパイラルにハマっていたと分析。今年のキャンプ第1クールで行った、ストレートだけでゾーン内に投げる取り組みが今につながっているという。

「ボールが走っていればゾーンの中でしっかりとファールでカウントを稼げる。球速以上のボールの強さ、キレがあるので、これ打ってくるなというところで警戒しすぎてボールになってたのが、打ってくるな、でもしっかり投げればファールでカウントを稼げる、カウントを整えられるので、チェンジアップや変化球でボール球を振らせられる。マウンド上で心のゆとりができると、コントロールミスも少なくなる。自分が有利なところで勝負が出来ていることが、好結果に繋がっていると思います」

 プロ6年目にして課題の制球面を改善させつつある濱口遥大。“暴れ馬”から生まれ変わった大人の左腕の反撃もここから始まる。

取材・文・写真●萩原孝弘 
 

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