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プロ野球

【2019主力選手通信簿・ソフトバンク】モイネロ&グラシアルのキューバコンビが躍動、野手は故障離脱組が低評価に

氏原英明

2019.12.02

【野手】
●松田宣浩
[試合]143 [打数]534 [打率].260
[本塁打]30[打点]76[OPS].788[盗塁]5
評価:まずまずです(B)
開幕から主力に離脱者が相次いだ中、全試合に出場して元気いっぱいチームを支え、プレミア12でもムードメーカーに。2年連続で30本塁打をクリアし、5月3日の楽天戦で通算250号に到達した。まだまだベンチに退く気はない。

●内川聖一
[試合]137 [打数]500[打率].256 
[本塁打]12 [打点]41[OPS].666[盗塁]3
評価:がんばりましょう(D)
一度も登録を外れることなくシーズンを走り切った。ただ、トップパフォーマンスからは程遠く、打撃成績は実質自己ワーストに近かったが、パ・リーグ一塁手初の守備率10割を記録する堅守でチームを支えた。

●デスパイネ
[試合]130[打数]448[打率].259
[本塁打]36[打点]88[OPS].875[盗塁]0
評価:まずまずです(B)
勤続疲労を感じさせ、3・4月は打率.224、3本塁打と低調だったものの、最終的にリーグ2位の36本塁打。甘く入ったらすぐに運ばれる危険性を感じさせた。グラシアルの好成績も、同郷の彼の存在が助けになった。

●甲斐拓也
[試合]137[打数]377[打率].260
[本塁打]11[打点]43[OPS].733[盗塁]9
評価:よくできました(A)
“甲斐キャノン”ばかり言われるが、今季はインサイドワークで一皮向け、扇の要としての存在感を見せた。一時不振だった千賀を立て直したのも彼の言葉。打撃面でも、打率・出塁率とも大きく向上し、攻守とも貢献度が高かった。

●牧原大成    
[試合]114[打数]406[打率].242
[本塁打]3[打点]27[OPS].575[盗塁]10
評価:可もなく不可もなく(C)
前年のブレイクは継続できず、436打席で10四球、出塁率.267はリードオフとしては厳しい。もっとも、二塁以外にも遊撃&外野3ポジションを守るなど汎用性を発揮し、CSファイナルでは打率.421、5打点と爆発した。
 
●今宮健太
[試合]106[打数]383[打率].256
[本塁打]14[打点]41[OPS].722[盗塁]4
評価:可もなく不可もなく(C)
強打の“イマケン”を印象付け、シーズン序盤は打線を牽引。守備でも一歩目の速さと強肩は健在で、コンバート説を一蹴した。ただ、昨季終盤から抱えていた足の故障が再発し、6月末から約1ヵ月離脱。
   
★打のMVP★
●グラシアル    
[試合]103[打数]373[打率].319
[本塁打]28[打点]68[OPS].960[盗塁]4
評価:よくできました(A)
開幕直後の負傷とキューバ代表招集による2度の離脱で出場103試合にととどまったが、OPS.960はリーグ1位の森友哉(西武)を上回る数字。勝負強さも健在で、日本シリーズでは3本塁打を放ってMVPを獲得した。

●上林誠知
[試合]99[打数]286[打率].194
[本塁打]11[打点]31[OPS].614[盗塁]10
評価:もっとがんばりましょう(E)    
タイトル獲得も視野に入れたはずだったが、怪我を抱えたシーズン序盤の強行出場が響いて、低調なパフォーマンスに終始。日本シリーズでは1試合もベンチ入りできなかった。来季のリベンジに期待。

●福田秀平 
[試合]80[打数]166[打率].259
[本塁打]9[打点]26[OPS].772[盗塁]9
評価:まずまずです(B)    
2度の抹消で出場80試合。故障者によるチャンスを生かせなかった。CSファーストステージ第2戦では先発して勝ち越し本塁打の活躍でチームを救うも、以後はジョーカーの定位置に。オフにロッテへFA移籍が決まった。

●中村晃
[試合]44[打数]139[打率].245
[本塁打]3[打点]11[OPS].666[盗塁]0
評価:がんばりましょう(D)
開幕直前に自律神経失調症と診断されて長期離脱。復帰戦となった5月31日の楽天戦でいきなりタイムリー二塁打を放ったものの、その後は腰痛も発症して再び戦列を離れ、体調面の悪さが成績にも反映されてしまった。    

●柳田悠岐
[試合]38[打数]128[打率].289
[本塁打]7[打点]23[OPS].936[盗塁]4
評価:がんばりましょう(D)    
開幕9試合で4本塁打14打点、OPS1.351と驚異的なスタートを切り、どれほどの成績を残すかと期待されたが、左ヒザ裏肉離れで8月下旬まで長期離脱。日本シリーズでは力を発揮したが、リーグ優勝逸の要因になった。
    
●周東佑京
[試合]102[打数]102[打率].196
[本塁打]1[打点]6[OPS].506[盗塁]25
評価:よくできました(A)
開幕前に支配下を勝ち取ったシンデレラボーイ。主力の故障で出場機会を得ると、ユーティリティー性と圧倒的なスピードを武器に一軍定着。後半戦はほぼ代走起用ながら25盗塁を走り、プレミア12でも大会最多4盗塁を決めた。

文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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