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プロ野球

メジャー移籍を事実上の封印。長期契約を締結した山﨑康晃が掲げる“ハマの守護神像”「夢が、横浜での優勝に変わっただけ」

萩原孝弘

2023.01.11

自主トレ後に取材に応じる山﨑。その表情は充実感に満ち溢れていた。写真:萩原孝弘

自主トレ後に取材に応じる山﨑。その表情は充実感に満ち溢れていた。写真:萩原孝弘

 今オフに厚木で自主トレをともにする三嶋一輝や伊勢大夢、入江大生は、「ライバルでもあり仲間でもある」。だからこそ山﨑は「横の繋がりを大事にして、馴れ合いじゃなくチームメイトとして刺激を与えながら、もらいながら、いいチームになれるようになっていきたいなと思います」と語る。

「とにかく安定して計算できるブルペンというか、コーチたちともこれから話し合っていきながら、どういうブルペンを作るのか。若手の台頭もありますし、経験したメンバーから出る発言含めて、作っていくのは我々だと思っている。昨年コーチを一掃して、いろんな刺激もありましたけど、結局やるのは選手だと昨年のシーズンで気づきましたし、ブルペンでも引っ張っていかなくてはならない存在だと自負しています」

 ブルペンの真のリーダーとしての自覚が芽生えつつある。無論、「リーダー」と周囲からも認められるには、目に見える結果は絶対必須の条件となる。「去年はうまくキャンプインまでアプローチできたので、そこは自信を持っていい」と話す30歳は、「ストレートの質は磨いていきたいなと思います」と直球へのこだわりを語った。

「ブルペンでも真っ直ぐをアウトコースにという原点。あとストライク勝負していきたいなと。去年のキャンプでコーチに言われてハッとする部分もあったので。自分に自信がないとストライクゾーンで攻めることって難しいので、そのなかで自分のボールを信じてストライクゾーンに投げることはキーポイントになる。ストレートを磨いて、どんどん出力を上げていきたいなと思います」

 山﨑は昨年11月に横浜スタジアムで行なわれた「ファンフェスティバル2022」で、囁かれていたメジャー移籍を撤回し、チーム残留を公言。契約更改では「横浜DeNAベイスターズと6年契約を結ばせてい頂きました」と発表した。
 
 国内FA権を行使せず、オプトアウト権(契約を破棄できる権利)も含まれない契約は「メジャー移籍の事実上の封印」と世間でも話題となった。だが、「(メジャーでの)夢が、横浜での優勝に変わっただけ」と言い切る山﨑に、かつて三浦大輔(現監督)が残留を決めた姿を重ね合わせる人は少なくなく、ファンの感涙を誘った。

 だからこそ、横浜で勝つという思いは人一倍にある。当人は「目指すのは横浜の絶対的守護神ですよね。かつての佐々木主浩さんみたいに『こいつがマウンドに立ったらもうだめだ』と思わせるような投手になりたいと思っています」と目をギラつかせる。

「横浜残留を決めてファンの皆様から本当に多くの反響をいただいて、僕自身もその気持ちを心に留めて、結果で、いい形で皆様に恩返しできるように。喜んでいただいた分、結果で示したいなと思っています」

 横浜のフランチャイズプレーヤーとして高みを目指す山﨑。真のブルペンリーダーとして、そして「シン・大魔神」として、23年は飛躍を狙う。

取材・文●萩原孝弘

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