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侍ジャパン

まさかのWBC代表落選も?侍ジャパンを長年支えてきた坂本、山田、菊池の「微妙な立場」【氏原英明の直球勝負】<SLUGGER>

氏原英明

2022.12.30

侍ジャパンの顔でもあった坂本、山田、菊池の3人。今回のWBCでも代表に選出されるだろうか。(C)Getty Images

侍ジャパンの顔でもあった坂本、山田、菊池の3人。今回のWBCでも代表に選出されるだろうか。(C)Getty Images

 代表内定メンバーの中に、常連3選手の名前はなかった。

 来年3月に開催される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表のことだ。村上宗隆(ヤクルト)、源田壮亮(西武)や近藤健介(ソフトバンク)ら、すでに何人かの選手の選出が報じられているが、その中に山田哲人(ヤクルト)、坂本勇人(巨人)、菊池涼介(広島)ら、「侍ジャパンの顔」として近年の日の丸を支えた選手の名前がないのだ。

 3大会ぶりの世界一を目指す侍ジャパンは今回、歴代最高クラスの陣容を整える見込みが高い。大谷翔平(エンジェルス)、ダルビッシュ有(パドレス)が参戦を表明。メジャー1年目を終えたばかりの鈴木誠也(カブス)も参加が決まっていて、かつてないほどの盛り上がりを見せている。

 もともと、メジャー組が参戦を表明するまでは、若い世代が世界へアピールする機会という位置付けが濃厚だった。来オフにメジャー挑戦が濃厚な山本由伸(オリックス)を筆頭に、昨季、日本人登録選手最多本塁打記録を更新した村上、28年ぶりの完全試合を達成した佐々木朗希(ロッテ)らが世界を相手にどれほどの腕前を見せるかが注目されていた。

 しかし、初めて侍ジャパンの監督に就任した栗山英樹監督の存在もあって、メジャー組が続々と参戦。来季からメジャーに挑戦する吉田正尚(レッドソックス)や千賀滉大(メッツ)も出場を希望するなど、一気に世界奪還へ向けての機運が高まりつつあるのだ。
 
 そんな状況で、「置いてきぼり」のような状況になっているのが、常連の3人だ。

 山田、坂本、菊池涼の3人のこれまでの侍ジャパンでの活躍は改めて記すまでもない。

 山田は14年の日米野球で初めて代表入り。プレミア12、WBC、五輪など数々の大舞台に出場し、すべての大会で本塁打を放った。昨年の東京五輪でのMVP獲得も記憶に新しい。代表では1番に入る機会も多く、核弾頭として打線を牽引してきた。

 しかし、昨季はキャプテンとしてリーグ2連覇に貢献したものの、打率は規定打席到達年ではキャリア最低の.243。日本シリーズでも、オリックス投手陣のストレートにやや苦戦を強いられ、3度のトリプルスリーを獲得したスーパースターにはやや陰りが見える。

 坂本は12年に初めて代表入り。13年のWBCからは国際大会の常連メンバーになった。17年の第4回WBCでは出塁率.481と活躍し、昨年の東京五輪では決勝を除く全試合で打点を挙げて大会ベストナインにも輝いた。チームでも、16年にセ・リーグの遊撃手としては初の首位打者を獲得。19年には40本塁打、20年には通算2000本安打を達成している。

 だが、昨季は相次ぐ故障に私生活の問題も重なって力を発揮できなかった。出場83試合はレギュラー定着後最少で、4年連続&計7度受賞していたベストナインの座も明け渡した。
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