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プロ野球

名捕手・古田敦也が植え付ける「バッテリーで勝つ」理論。セ界3連覇に欠かせない教えの真意は?【ヤクルト】

THE DIGEST編集部

2023.02.07

投手にはボールの握り方から丁寧に教えた古田氏。彼が後輩たちに植え付けようとする「バッテリーで勝つ」の真意とは?写真:岩国誠

投手にはボールの握り方から丁寧に教えた古田氏。彼が後輩たちに植え付けようとする「バッテリーで勝つ」の真意とは?写真:岩国誠

 バッテリーで勝つ――。それは、臨時コーチ1年目から、古田氏が強く打ち出していた発言だ。その真意はどこにあるのか。

「どうしても守りの部分はピッチャーのイメージが強いと思います。ピッチャーが良かった、悪かったで、試合内容が評価される。だから『キャッチャーで勝つんだ!』っていう意識付けです。その意識によって、例えば、試合前の準備段階でも『このバッターを抑えるにはどうしたらいいか』と真剣に考える。

 『前はやられたから、違うことをしないといけない』とか、そういうアイディアが出てきて、それを今度はピッチャーに『こういう球があったら、もっと抑えられるんじゃないか』と伝えるようになる。そういうコミュニケーションが大事で、結局は勝つためにどんなアイデアがあるかっていることを、キャッチャーから提案していかないといけない。そういう本当のコミュニケーションを、自信を持ってやれる責任が、キャッチャーには必要ということですね」
 
 そんな古田氏の指導を受け、確かな成長を遂げたのが背番号27を継承し、チームの正捕手へと成長した中村悠平だった。

「中村もそれまでは、出たり出なかったりした時期もあったし、ベンチと勝負する部分があった。それが経験を積んで、自分で判断して思い切ったサインで相手がびっくりすることをやったりする。キャッチャーは相手の嫌がることをやるのが大事なことなので」

 今年の浦添キャンプには中村のほか、去年74試合に出場した3年目の内山壮真、6年目の松本直樹、7年目の古賀優大が、捕手として参加。期間は12日までと短いが様々な方法で「バッテリーで勝つ」術を植え付けていく。

取材・文●岩国誠

[著者プロフィール]
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。

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