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プロ野球

元NPBの社会人チーム指揮官が初年度から快挙達成! アマ球界に新風を吹かせたショウワコーポレーション亀澤監督が抱く2年目の3つの野望とは?

萩原孝弘

2023.02.13

 しかし指揮官の志は道半ばだ。「あくまでも都市対抗で勝てるチームを作り上げるのが目標ですから」と遥かに高くに照準を定める。そのため、自らの野球人生で築き上げたネットワークを駆使し、オフには選手補強に日本全国を奔走した。
 
 全てのポジションに目を光らせながらも「特に投手探しに力を入れたおかげで、130キロ後半、さらに140キロ後半まで投げるピッチャーが6人も入ってきてくれた」と手応え。 投手、野手ともに「NPBのドラフト候補まで上がった人材も獲得することができ、他にも荒削りではあるが面白い存在も入ってくる」と心躍らせる。

 自らの目でスカウティングした金の卵たち。「しっかりと鍛え上げて、この逸材たちを数年後にはNPBへ輩出することにも全力を尽くしていく」と次のステージをも視野に入れ、育成にも野心を燃やした。

 監督2年目のターゲットはズバリ3つ。「都市対抗出場、クラブ選手権優勝、プロ輩出です」と言い切った。高い目標達成のため、昨年根付かせた自信と実績を基にして「チーム改革を徹底的にしていく」とさらなるブラッシュアップが必須項目と説く。

 具体的に技術面では、昨年同様「今シーズンもプロ野球チームともゲームを組み、クラブチームながら、平日も試合をしに遠征にも出る」と徹底的に実戦での経験を積ませる。

 また「今年はキャプテンを指名しない。なぜなら全員が主役だと思ってほしい。一人ひとりがキャプテン意識を持てば、自ずとチームは活性化されると思うから」と意識革命にも着手。各々が「自分自身の仕事を全力で全う出来ると踏んでの決断」と精神面での成長を信じ、願う。

 それには「社長にも言われた言葉『やる気のないやつは野球をする資格なんかない』」を突き詰めていく。「死ぬ気でやれるのも若いうちだ。やる気のないものは会社にはいらない。会社を背負うのはそういう事」との社長の人生訓に「全くその通りだと思う」と指揮官のベクトルと完全に一致。「何年監督をするかわからない。でも死ぬ気でやり遂げる。そして全力で向き合う」決意を新たにした。

 2023年「チームスローガンは“必ず”」に決定した。己を信じてプロの道を切り拓き、がむしゃらに突き進んだ野球人生。監督としても類まれなる有言実行力を武器に「必ず」夢を正夢にするため、実直に全力でタクトを揮う。韋駄天の伝説は、まだまだ序章にすぎない。
 
取材・文●萩原孝弘
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