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侍ジャパン

WBC優勝とワールドチャンピオン――2つの「頂」を目指す吉田正尚の決意<SLUGGER>

節丸裕一

2023.02.18

 2大会連続での日本の優勝は、日本人として誇らしかった。13年の第3回大会でベスト4に終わった時は、世界のレベルの高さを感じ、厳しい世界であることを痛感した。「一発勝負の怖さとプレッシャーを感じました」

 そして6年前の前回大会は、吉田より若い鈴木誠也らが出場していたこともあり、自分が出場できない悔しさもあった。「選ばれるチャンスがある年齢なのにそのレベルになれていない。(怪我もあって)チームでの試合にも満足に出られないでいたので」

 しかし、その年のオフにゆり香さんと結婚した吉田は、管理栄養士でもあるゆり香さんの献身的なサポートもあり、翌年から3年連続フル出場。前述の通り球界最高レベルの結果を残し続け、侍ジャパンの一員として2つの大きな国際大会で日の丸を背負い、ともに優勝を勝ち獲った。

「(19年の)プレミア12と(21年の)東京オリンピックは疲れましたけど、勝てた喜びも大きかったし、とても貴重な経験になりました。でも、同じ侍ジャパンでもWBCは少し違う感覚です。参加チームが多くて、メジャーリーガーも出てくる。やっぱりレベルは一番高い大会だと思うので、そこは違いがありますよね」
 
 特に今大会は、早くからMLBの大物選手たちが次々に参戦を表明。過去最高の舞台になると予想されている。「メジャーリーガーがたくさん出てくるからこそ、日本野球の強さを証明するチャンスだと思います。僕は小さい頃からWBCを見て、日本の選手が戦う姿に夢と希望をもらってきました。だから、チャンスがあれば、どうしてもその場に立ちたかった。今度は僕たちが次の世代に夢を与える側になりたいですね。」

 これまでの2つの国際大会との違いはどうだろうか。

「WBCは初めてで分からないところもありますけど、国を代表して戦うこととか、一発勝負だったり短期決戦だったりという、プレミア12と東京オリンピックの経験は大きいとは思います。オリンピックの時とか、僕自身も普段より眠りづらいとかはありましたし、大会、試合を楽しめたらいいけど、楽しめない。ネガティブにもなりかねないような状況、心理状態の中で腹をくくるというか。そういう、経験した人にしかわからないプレッシャーはあると思うので、それを経験してきた部分は活かせたらいいですね。」

 WBCで勝つためのポイントはどこにあるか。

「これだけの選手が集まっているので、個々が力を出せれば強いと思います。僕自身がやることは、オリックスでも、これからのレッドソックスでも、WBCの侍ジャパンでも変わらない。イニングやスコア、ランナーの有無などによって、チャンスメークなのか、還す役割なのか。それはチームでも代表でも変わらないので、やるべきことをしっかりやっていくこと。みんながそれができれば自ずといい結果につながると思います。」
 
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