ウォーカー自身も昨年1月にラジオ番組で、票が伸びない理由について「クアーズ・フィールドは僕にとってPED(パフォーマンス向上薬)のようなもの」と語っている。ちなみに、クアーズ・フィールドでは打率.381/出塁率.462/OPS1.172、それ以外の球場は打率.281/出塁率.372/OPS.873で、確かに劇的に違う。
投票する記者の心情もあるのか、一般的にラストチャンスの投票では票が増える。マルティネスの場合、10度目の得票率は9度目の70.4%から15.0%上昇した。ウォーカーは前回が得票率54.6%だったので、殿堂入りの75%に達するには20.4%のアップが必要だ。過去5度の得票率はいずれも上がっていて、上昇幅も1.6%→3.7%→6.4%→12.2%→20.5%と年々大きくなっている。今回もこの傾向のままなら殿堂入りだが、2度続けて20%以上もアップするかどうかには疑問が残る。
ウォーカーが記者投票で殿堂入りできないとなると(その場合も、後にトゥデイズ・ゲーム委員会に選出される可能性はあるが)、同様にトッド・ヘルトンも難しいかもしれない。17年間に記録した打率.316、出塁率.414、OPS.953、369本塁打は、ウォーカーとほぼ同水準ながら、ヘルトンはロッキーズ一筋にプレーした。クアーズ・フィールドでは打率.345、出塁率.441、OPS1.048だが、他では打率.287、出塁率.386、OPS.855だ。また、ゴールドグラブは3度受賞したが、一塁手はより打撃が重視される。盗塁も37と少ない。ヘルトンが投票にかかるのは、今回が2度目。前回の得票率16.5%は、ウォーカーの1度目よりも3.8%低かった。
文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。
投票する記者の心情もあるのか、一般的にラストチャンスの投票では票が増える。マルティネスの場合、10度目の得票率は9度目の70.4%から15.0%上昇した。ウォーカーは前回が得票率54.6%だったので、殿堂入りの75%に達するには20.4%のアップが必要だ。過去5度の得票率はいずれも上がっていて、上昇幅も1.6%→3.7%→6.4%→12.2%→20.5%と年々大きくなっている。今回もこの傾向のままなら殿堂入りだが、2度続けて20%以上もアップするかどうかには疑問が残る。
ウォーカーが記者投票で殿堂入りできないとなると(その場合も、後にトゥデイズ・ゲーム委員会に選出される可能性はあるが)、同様にトッド・ヘルトンも難しいかもしれない。17年間に記録した打率.316、出塁率.414、OPS.953、369本塁打は、ウォーカーとほぼ同水準ながら、ヘルトンはロッキーズ一筋にプレーした。クアーズ・フィールドでは打率.345、出塁率.441、OPS1.048だが、他では打率.287、出塁率.386、OPS.855だ。また、ゴールドグラブは3度受賞したが、一塁手はより打撃が重視される。盗塁も37と少ない。ヘルトンが投票にかかるのは、今回が2度目。前回の得票率16.5%は、ウォーカーの1度目よりも3.8%低かった。
文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。