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MLB

戦力外の選手に年俸1400万ドルの“無駄金”支払いも…MLB不良債権に見る“キューバ選手バブル”の狂騒

スラッガー編集部

2019.11.23

カスティーヨ(右)とトーマス(左)らキューバ勢の“不良債権化”が顕著だ。(C)Getty Images

カスティーヨ(右)とトーマス(左)らキューバ勢の“不良債権化”が顕著だ。(C)Getty Images

 現地11月20日、中日でも活躍したチェン・ウェインがマーリンズの40人ロースターから外され、事実上の戦力外となった。また、ヤンキースは盗塁王3度の実績を誇るジャコビー・エルズベリーを同じく40人ロースターから外した。

 2人ともまだ長期契約の途中で、チェンは来季1600万ドル、エルズベリーは2100万ドルもの年俸を手にすることが決まっているが、それでも球団はお払い箱にした形になる。チーム側にすれば、「“いない選手”に高額年俸を支払うことになったとしても、貴重なロースター枠をつぶされるよりはマシ」というわけだ。“いない選手”へのお金を支払うケースとしては、彼ら2人のようにお払い箱パターンが一つ、そしてトレードで放出した後も契約の一部を肩代わりパターンもある。

 後者に関して言えば、今夏にダイヤモンドバックスからアストロズへ移籍したザック・グレインキーのトレードが分かりやすい。放出したダイヤモンドバックスが残り契約の一部(2400万ドル)を将来的に払う形で合意。これはトレードの質を担保するために必要なものと言えるが、以下のケースは、もう完全な無駄金でしかない。
 
■レッドソックス
ルスネイ・カスティーヨ:1400万ドル(3A)

■ダイヤモンドバックス
ヤズマニ・トーマス:1500万ドル

■ドジャース
ヘクター・オリベイラ:466.6万ドル(※退団)
ヤイセル・シエラ:650万ドル(R)

■パドレス
ヘクター・オリベイラ:850万ドル(※退団)

 彼ら5人――奇しくも全員キューバ人――は、日本最高年俸の菅野智之(巨人/6億5000万円)よりも稼いでいるが、今季メジャーで出場したのはトーマスだけで、そのトーマスもたった4試合しか出ていない。オリベイラに至ってはすでにアメリカ球界から姿を消している。

 カスティーヨは2014年8月にレッドソックスと7年7250万ドルで契約。しかし、メジャーではまったく活躍できず、ここ3年はマイナー暮らし。今季は3Aのオールスターに出場したが、「お前そこにいんのかい!」と突っ込みたくなったレッドソックスファンも少なからずいただろう。メジャー通算99試合、1試合あたり約72万ドルという驚愕の不良債権ぶりを発揮している。
 
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