■４位：日本ハム
　記念すべきエスコンフィールド元年。新庄剛志監督は「優勝しか目指さない」と言っていて、確かに戦力は向上している。オープン戦の本塁打ランキングは１位が清宮幸太郎、２位が万波中正で、チーム全体でも15本は12球団最多。五十幡亮汰が１番に定着できそうなのも大きい。投手では金村尚真が安定度抜群で、新人王候補に挙げられている。上手く行けばCS争いに加われるかもしれないが、攻撃では必要のない場面で盗塁を仕掛け好機を逃す場面が相変わらず目に付く。動きたがりの指揮官が自重できるかどうかが上位進出への鍵、と言うのは言い過ぎか。

■５位：西武
　昨年リーグ１位の防御率だった投手陣は、今季もオープン戦で１点台。平良海馬も問題なく先発へ転向できている。それでも下位に予想しているのは、森友哉の退団が攻守両面で痛手になると見るからだ。柘植世那と古賀悠斗が切磋琢磨してある程度は穴埋めできるとしても、なお打線は弱い。オープン戦では山川穂高の不在という事情はあったにせよ７本塁打のみ、ドラフト１位の蛭間拓哉も苦戦中で、おまけに源田壮亮は開幕に間に合わない。ペイトン、マキノンの新外国人コンビが期待通りに働けないと、投手陣の頑張りが報われない試合が多くなってしまいそうだ。
  ■６位：楽天
　パ・リーグは上位２強以外の差はほとんどなく、最下位予想であってもＡクラスに食い込む可能性は十分にある。楽天を他球団より下に位置付けている理由は、シーズン途中から急失速した昨年と比べ、上がり目があまり感じられない点。投打ともこれといった若手の成長が見られず、ドラフト１位の荘司康誠も開幕すぐに使える状態ではない。好材料は来日２年目のギッテンスで、オープン戦の出塁率は驚異の.590だった。４本塁打を放った新外国人フランコともども、シーズン中もこの調子を維持できるなら、いささか頼りない投手陣をカバーして上位も狙える。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』（いずれも言視舎）。

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