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村上、ターナーらの不振はWBC後遺症のせい?大会開催年に必ず蒸し返される「古くて新しい問題」<SLUGGER>

出野哲也

2023.05.30

 また、WBCでは14打数0安打だったジオ・アーシェラ(コロンビア代表/エンジェルス)は、開幕後は打率.318。ベネズエラ代表として18打数4安打に終わったロナルド・アクーニャ(ブレーブス)はナ・リーグ1位のOPS.986、22盗塁でMVP候補の筆頭に挙げられている。そもそもWBCの数試合で調子がどうこう言うのもおかしな話ではあるが、いずれにしてもシーズンへの影響は皆無だった。

 カルロス・コレア(ツインズ)、ホゼ・アブレイユ(アストロズ)、ロビー・レイ(マリナーズ)のように、WBCは不参加でも不調や故障に見舞われている選手も多い。当たり前のことだが、故障者はキャンプやオープン戦でも必ず発生する。ドジャース期待の若手ギャビン・ラックスはオープン戦で走塁中にヒザを痛め、手術を受けて今季全休となった。確かに“本気度”の違いからWBCの影響があった選手もいるだろうが、出場しなかった選手と比べて明らかに多いとまでは言えないだろう。
 となれば、「3月開催見直し派」の主張も根拠は弱くなる。シーズン終了後(選手たちが疲れ切っている)やシーズン中(ペナントレースが長期間中断する)の開催にも問題はあって、むしろ開幕前の方が不都合は少ないくらいだ。

 どう配慮しても、怪我はつきもの。ディアズを失ったメッツファンには気の毒だが、運が悪かったと思ってあきらめるしかない。次回のWBCも「完璧ではないがおそらく最適」(ロブ・マンフレッド・コミッショナー)である3月に行われ、また同じような議論が蒸し返されるのだろう。

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。
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