村上宗隆(ヤクルト)に異変が起こっている。シーズン56本塁打の大記録を達成した昨季からさらなる飛躍が期待された今季だが、3・4月は大不振に見舞われ、本塁打はわずか2本。打率/出塁率/長打率は.157/.311/.265と昨季の活躍が嘘のような結果に終わった。5月に入り巻き返してはきているが、この不振の原因は何だったのか。3・4月のデータに絞り、探っていきたい。
前述したように3・4月の村上は本塁打が出なかった。ホームランが出ないということはスイングのメカニクスに異常が出ていると多くの人が想像するだろう。ただ、データを見てみると、不振の原因はメカニクスだけではないようだ。まず、問題となっているのは投球を振るか・振らないかという、スウィング前の判断である。
昨季の村上は我慢強い打者であった。ボール球スウィング率は23.5%(リーグ平均が31.1%)。これは規定打席に到達した両リーグ48人の中で9位の優秀な数字である。だが、3・4月の村上は26.2%。昨季よりもボール球に手を出してしまう割合が高かったようだ。 悪化の幅はそれほど大きくないが、別のデータと併せて見ると、状況の深刻さが理解できる。今度はボール球ではなくストライク球に注目してみよう。昨季の村上のストライク球スウィング率は68.1%だったが、今季は54.9%に低下している。ボール球に手を出す一方、振るべき球(ストライク)には手が出なくなっているのだ。
村上宗隆のストライク球スウィング率
2022年 68.1%
2023年 54.9%
※23年は3・4月
ストライク、ボール問わずスウィング率が高くなっているのであれば、何にでも手を出してしまっているに過ぎない。しかし、3・4月の村上は振るべきでない球を振り、振るべき球を振れていなかった。投球の見極めについて、少しパニックに陥っている様子がうかがえる。スイングする・しないの判断が適切に行えるかは復調のカギを握っている。
次に注目したいのが打球の性質だ。今季の村上は本塁打が出ていないが、その前提となるフライ打球が少ないわけではない。フライ率は昨季が50.4%、今季は48.9%とほぼ変わっていない。
前述したように3・4月の村上は本塁打が出なかった。ホームランが出ないということはスイングのメカニクスに異常が出ていると多くの人が想像するだろう。ただ、データを見てみると、不振の原因はメカニクスだけではないようだ。まず、問題となっているのは投球を振るか・振らないかという、スウィング前の判断である。
昨季の村上は我慢強い打者であった。ボール球スウィング率は23.5%(リーグ平均が31.1%)。これは規定打席に到達した両リーグ48人の中で9位の優秀な数字である。だが、3・4月の村上は26.2%。昨季よりもボール球に手を出してしまう割合が高かったようだ。 悪化の幅はそれほど大きくないが、別のデータと併せて見ると、状況の深刻さが理解できる。今度はボール球ではなくストライク球に注目してみよう。昨季の村上のストライク球スウィング率は68.1%だったが、今季は54.9%に低下している。ボール球に手を出す一方、振るべき球(ストライク)には手が出なくなっているのだ。
村上宗隆のストライク球スウィング率
2022年 68.1%
2023年 54.9%
※23年は3・4月
ストライク、ボール問わずスウィング率が高くなっているのであれば、何にでも手を出してしまっているに過ぎない。しかし、3・4月の村上は振るべきでない球を振り、振るべき球を振れていなかった。投球の見極めについて、少しパニックに陥っている様子がうかがえる。スイングする・しないの判断が適切に行えるかは復調のカギを握っている。
次に注目したいのが打球の性質だ。今季の村上は本塁打が出ていないが、その前提となるフライ打球が少ないわけではない。フライ率は昨季が50.4%、今季は48.9%とほぼ変わっていない。