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MLB

「マエケンの悪夢」を避けるためにも山口俊は先発とリリーフ両方の出来高設定を

宇根夏樹

2019.12.10

 一方、先発とリリーフの両方で出来高を設定している投手もいる。例えば、ネイサン・イオバルディ(レッドソックス)もその一人だ。昨オフに交わした4年6800万ドルの契約には、先発登板数、先発イニング、救援登板数、救援イニング、交代完了数のそれぞれに応じた出来高が定めてある。

 なお、日本プロ野球で「シーズン150イニング以上」と「シーズン20セーブ以上」のいずれも記録し、その後にメジャーで投げた投手は5人を数える。吉井理人、斎藤隆、上原浩治に、現在はFAの平野佳寿と今オフに日本復帰が決まった牧田和久がそうだ。
 
 渡米前年の吉井と斎藤は、先発登板が全体の4分の3以上を占めた。ただ、メジャーでの役割は違い、吉井は先発、斎藤はリリーフとしてマウンドに上がった。上原の渡米前年は、先発(12登板)とリリーフ(14登板)がほぼ半々。メジャー1年目の09年は12試合とも先発し、翌年以降は日本に復帰するまで、全424試合にリリーフとして投げた。18年にメジャーデビューした平野と牧田は、渡米前年もメジャー1年目もリリーフだった。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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