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プロ野球

ヤングジャイアンツを変えたレジー・スミス、史上最大の大物AJがもたらした勝利のマインド――大物助っ人がチームに与える好影響 <SLUGGER>

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2023.06.17

●フリオ・フランコ(1995、98年/ロッテ)

 メジャーで首位打者を獲得した実力者だが、とにかく息の長さで知られた男だ。何しろ、2007年にブレーブスで現役引退した時は48歳だった。そんな長寿を支えた秘訣は、徹底した自己管理だった。アルコールは一滴も飲まず、肉類も脂肪分の少ない鶏肉などしか食べない。ケンタッキー・フライドチキンの皮を剥がして食べていたという逸話も残っている。「日本人は飲みすぎ、食べ過ぎ、遊びすぎ」と言っていたほどストイックなプロ意識は、ロッテナインにも強烈な影響を与えた。もちろん、フィールド上でもすべてのプレーに手を抜かず、それまで10年連続Bクラスの負け犬軍団だったロッテを、95年は2位にまで押し上げた。

 当時の広岡達朗GMとの確執によって1年で退団したものの、選手たちの要望により98年に復帰。この時はキャプテンにも指名されるなど、たった2年プレーしただけで強烈な存在感を残した。前述の通り07年限りでメジャーの舞台からは退いたものの、その後も日米の独立リーグで現役を続け、15年に石川ミリオンスターズの選手兼任監督を務めた時は57歳だった。
 
●アンドリュー・ジョーンズ(2013~14年/楽天)

 ゴールドグラブ10回、05年の51本塁打を含む通算434ホーマーと、メジャーでの実績は助っ人史上でもナンバーワン。ブレーブス時代に10度の地区優勝に貢献したことから、「オレには勝者のメンタルがある」と強烈な自負を持っており、楽天でも徹底したチームバッティングでそれを証明した。13年にリーグ優勝を決めた試合では、2点ビハインドの7回2死満塁の場面でコンパクトな右打ちを披露し、逆転の3点タイムリー。助っ人史上初の2年連続100四球も、「自分一人でチームを勝たせることはできないと、我慢強く打席に立ち続けた結果」と自ら語っている。

 また、MLBで“スマイルボーイ”の異名を取った明るい性格も、大いにチームに寄与した。ベテランの闘将・星野仙一監督と若いチームの間をうまく橋渡し。選手たちがグッドプレーの後に遠慮なく監督とハイタッチして喜び合うような雰囲気を作った。「ジョーンズが加入してから楽天ベンチの空気が明らかに変わった」とは、敵として楽天を見続けてきたウラディミール・バレンティンの弁である。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)
 

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