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MLB

怠慢走塁や内紛でまさかの地区最下位に低迷...「MLBの出木杉くん」カーディナルスに一体何が起きているのか<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.06.14

 これに対してオニールは「自分はマイナー時代からずっと全力プレーを貫いてきた。それが否定されるのは許せない」と公然と反論。「この話は内輪で解決するべきだった」とも語り、就任2人目の36歳の若き指揮官の威厳が問われる事態に発展した。

 5月には、鳴り物入りで加入したウィルソン・コントレラスが正捕手から外されるという事件も勃発した。しかも理由は、複数の先発投手が「コントレラスと組みたくない」と首脳陣に直訴したためだった。

 確かに、コントレラスは以前からインサイドワークに課題を抱えていた。だが、昨季限りで引退したヤディアー・モリーナの後継者として、5年8250万ドルもの大型契約で獲得した選手を開幕1ヵ月で正捕手から外す判断が正しかったとは思えない。結局、コントレラスは10日ほどで捕手に復帰。いたずらに疑念と混乱を招くだけの結果に終わった。そしてこの一件が尾を引いたのか、コントレラスはその後、深刻な打撃不振に陥ってしまった。
 
 マーモル監督の手腕は、別のところでも疑問符が突きつけられている。ここまで1点差試合で7勝16敗と大きく負け越しているのだ。シーズン全体の得失点差は-10。得失点差から算出する予測値では33勝35敗となっているにもかかわらず、実際には13もの借金を抱えているということは、ブルペン運用を含めたベンチの采配に問題があると言われても仕方がない。このため、このまま低迷が続けばマーモル監督の途中解任に踏み切るのでは? と予測する声もある。

 さらにさらに、三塁守備の名手ノーラン・アレナードの守備にも綻びが見えている。メジャー1年目から10年連続ゴールドグラブという偉業を成し遂げたアレナードだが、平均と比べてどれだけ多く失点阻止したかを示すDRSという指標では、ここまで-2と低迷。昨季までの10年間で155を記録していたことを思えば、明らかに異常事態だ。しかも、ケアレスミスや緩慢なプレーも目につき、一部のファンはオニールとの“待遇の差”も問題にしている。

 幸いと言うべきか、ナ・リーグ中地区は首位のパイレーツも貯金3という混戦状態。ここから巻き返しを図る余地はまだ残っている。思わぬ難局に直面した「出木杉くん」は本来の姿を取り戻せるだろうか。

構成●SLUGGER編集部
 
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