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プロ野球

周東の爆走はチームの得点をどれだけ増やすのか?最先端指標でスピードスターたちの走塁能力を測定!<SLUGGER>

DELTA

2023.06.15

 また、より分かりやすいデータで言えば、打者走者が一塁に到達するまでの時間も測定できる。今季、ここまでの最速トップ10を見てみよう。

▼2023年一塁到達タイム
1位 周東佑京(ソフトバンク) 3.68秒
2位 三森大貴(ソフトバンク) 3.68秒
3位 三森大貴(ソフトバンク) 3.69秒
4位 周東佑京(ソフトバンク) 3.71秒
5位 周東佑京(ソフトバンク) 3.73秒
6位 周東佑京(ソフトバンク) 3.77秒
7位 周東佑京(ソフトバンク) 3.78秒
8位 三森大貴(ソフトバンク) 3.78秒
9位 五十幡亮汰(日本ハム) 3.79秒
10位 門脇誠(巨人) 3.79秒
※バントは除く

 やはりここでも周東佑京がトップの数値を記録している。1位の3.68秒は5月27日のロッテ戦で9回にショートゴロを放った場面。惜しくもアウトに放ったが、周東のスピードがトップクラスであることはデータからも裏付けられている。

 他に注目したいのが、同じソフトバンクの三森だ。最高タイムは周東に並ぶ3.68秒で、ランキング1位から8位までを周東と2人で独占している。ちなみに三森は、昨季の最高タイムは何と3.56秒。昨季のランキングでは、NPB全体の1位から16位までを独占するなど、この分野に関しては抜きん出た存在である。

 ただ、このランキングに掲載されているのは全員が左打者。一塁到達タイムは当然一塁までの距離が近い左打者が有利となってしまう。右打者限定にすると、以下のようなランキングとなる。
 
▼2023年 右打者一塁到達タイム
1位 長谷川信哉(西武) 3.82秒
2位 並木秀尊(ヤクルト) 3.96秒
3位 長谷川信哉(西武) 3.96秒
4位 菊池涼介(広島) 3.96秒
5位 並木秀尊(ヤクルト) 3.97秒
6位 菊池涼介(広島) 3.97秒
7位 菊池涼介(広島) 3.99秒
8位 長谷川信哉(西武) 3.99秒
9位 オコエ瑠偉(巨人) 4.00秒
10位 山田哲人(ヤクルト) 4.01秒

 右打者は左打者に比べて当然タイムが遅いが、そんな中でも西武の俊足の若手ユーティリティ長谷川が3.82秒を記録。左打者顔負けのタイムをマークしていた。
 
 このように、走塁データも以前と比べるとより多くの観点で多くのデータを取得できるようになっている。MLBだけでなく、NPBでもこうした取り組みは進んでいるのだ。MLBのように、内野安打の時速などのスピードデータを試合中継の中で見られるようになる日も近いかもしれない。

※一塁到達タイムは5月28日時点、その他は6月5日時点でのデータ

【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。
 

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