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プロ野球

回転数や打球速度が計測できるだけじゃない。「故障防止」や「思わぬ飛躍」にもつながる『ラプソード』3つの活用法<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.07.26

6月28~30日に行われたスポーツテックEXPOでは、ラプソード社のブースに多くの人が詰めかけた。実際に館山によるの『ラプソード』計測の実演も行われていた。 写真提供:ラプソード社

6月28~30日に行われたスポーツテックEXPOでは、ラプソード社のブースに多くの人が詰めかけた。実際に館山によるの『ラプソード』計測の実演も行われていた。 写真提供:ラプソード社

 そして3つ目が、「選手を埋もれさせないための活用法」だ。

 近年、MLBでは、『ラプソード』も含めた最新機器を活用することによって、劇的に成績を向上させる投手も少なくない。その好例が、強豪ドジャースで活躍するエバン・フィリップスだ。20年まではメジャー通算48試合で防御率7.50という典型的な二流投手だったフィリップスだが、昨季は64試合に登板して防御率1.14と、メジャーでも有数のリリーフ投手に成長。今季はクローザーに抜擢されるなど活躍を続けている。

 ドジャースはフィリップスを“魔改造”するにあたり、唯一の武器だったスウィーパーに着目。横変化をさらに大きくするとともに、ピッチングの軸とするようアドバイスした。加えて、2シームのシュート成分を増やすことよって、左右の変化で勝負できるようになった。

 ラプソードによって、それまで誰も気づかなかった強みを見つけ、飛躍の礎とする。それは、何も強豪校の選手に限った話ではない。グラウンドが狭かったり、思うような練習時間が取れない学校の選手にとっても、『ラプソード』は限られた時間やリソースを最大限に生かすためのツールとなり得るのだ。
 
『株式会社Rapsodo Japan』(以下ラプソード社)のプロダクトマーケティングマネージャー・花城健太さんは次のように語る。

「自分の個性を殺すことなく明確な目標に向かって改善していくことは、選手のモチベーション向上にもつながります。それに、自分でいろいろと考えながら、自立して練習することができるようになります。データを得て、それを基に自分のスキルを改善する『PDCAサイクル』を体験できるのも、学生にとってはプラスなはずです」

 最近は、『ラプソード』から得られるデータを基に独自の研究を行う進学校や大学もあるという。「ピッチングマシンのような、イメージしやすい価値ではないかもしれないですが、多くの活用法があることを選手や指導者、保護者の皆さんにぜひ知ってほしいです」と花城さんは強く語る。今後はアナリストと密に連携するなどして、指導者にデータの活用法を分かりやすく伝える取り組みを積極的に推進していくという。

 ラプソード社は、「選手がポテンシャルを最大限発揮できるように支援する」というビジョンを持っている。ポテンシャルが指すものは一つではないし、発揮する形も一つではない。自分の個性を殺すことなく、目標に向かってさまざまな形で伸びていくことができる。それこそが『ラプソード』の真髄なのだ。

取材・文●SLUGGER編集部
 

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